金曜日, 6月 24, 2016

詩人の仕事

「詩は役に立つ!役に立った!」
教室の帰り際に、そう伝えて頂いた。
中原中也も、ランボーも、無茶苦茶な人だったが、我々を惹き付けてやまない。アニメや漫画になろうが、なるまいが、詩は色褪せない。へっちゃらで綺麗な明朝体に託している。
1999年に始めた 小松亮一氏との「ブルーマヨネーズ」の 詩の展覧会が アートラボあいち長者町ではじまった。最初はアーカイブ的な展示を考えていたけれど、つまらないよねという話になり、2フロアある展示室を連携させた作品となった。個々の部屋に名前をつけ、それらを続けて読むのが、タイトルとなった。「letters, readings」となる。
ずーっと仕事が続いている。
採算度外視という言葉が既に外枠で転がっているもんだから、ランボーの労働を拒否という年表の言葉に痺れた。憧れは石ころすら緑色に発光させる。
思えば、中原中也もイクメンだった。
中也も「私たち」だと見つめることができたのだ。多くの現代の読者は「中也と私」という関係を想定する。突き付けられた詩が 自然と そうさせる。
あまり好きではない言葉だけど「イクメン」を持ち込めば、私たちという連帯をもって 中也を見ることができるかも。そう思った瞬間、するりと 中也は私だけの孤独へ去ってしまった。誰もその悲しみを理解はできない。
そう、誰も 他者を理解することはできない。
「あおさ」は孤独。あるときは なんとかなるさと言い、また あるときは 頭を抱え込む。
小松氏の詩「BAD BYE」から始まった「letters, readings」。これは17年目の仕事だ。