月曜日, 8月 31, 2009

雨を抜けて パ・ド・ドゥ!

一夜明けて、一気に部屋掃除と荷物まとめ。自分でもびっくりするくらい部屋に物は増えていたが、これまたびっくりするくらい要領良くまとめることに成功する。宅配便を頼んで、来るまでの間にビール瓶を酒屋へ持って行き、瓶の駄賃をもらって、それでパンを買って昼食にしたり、段ボールにあらゆる紙と本を詰める。鞄には満タンの酒瓶を。プリンターは向こうでも働いてもらわないと。
いちばん働いてもらわないといけないのは当の自分。
昼過ぎに詫間さんと話す。
「よう話しとるわ」と京都弁?で言われ、赤面少し。

すぐに夕方の、バスの時間近くになる。詫間さんと別れ、桑さんに車を出して頂く。不動産屋さんへ鍵を返しに行っては、荷物を引いてバス停へ。
ちょうど雨が降っていたので デパートを抜けて地下道を通る。駐車場に帰ることができるかとか、仕事の話をした。
人が多くなってきた頃に、バスがやって来た。
OK!パ・ド・ドゥ!
そういう歌があって、誰も知らなくて、見ていなくても歌っている。
高速バスの窓のなかで、闇が流れていた。

日曜日, 8月 30, 2009

愛の前 present

大きな吹き出しが開く。窓の前で詩を書く。
「ラファエル・ロサノ=ヘメル《パルス・ルーム》+ 島田英明 ヴァイオリン&ライヴ・エレクトロニクス」の 奏する間に島田さんが持つマイクに読んだ。
何と戦い、何と踊るのだろう。
意味、は必要無い。意義だけが知らないところで起こってくると思った。
六年前、誕生日じゃなくてもあなたを喜びたいと書いたように。
それはいつまでも続いてほしい鼓動だった。

パルス・ルームで横になって、二人で、笑ったあと、静けさを前にするのよと話してくれた。

「山本基《100の迷宮》海に還る」へ。
山本さんは海へいざなってくれた。
迷宮では思いがどれだけでも動き回る。守ってきた思いはどれだけでも募る。
袋いっぱいに塩を詰めた。

以前に美術館やライヴでお会いした方から、お隣の猫を描いたという絵を刷ってくれた素敵なTシャツを頂いた。嬉しくて、着替えた。
お隣同士の猫を愛でて、静かになるのを待つことができたら、どんなに素敵だろう。

いままで見守ってくれた方々と会釈。
見守って、やってきたのは互いのことかもしれない。これからを語る日は少し待って。
猫のキスは鼻どうし。
鳥が飛んでいって、
鳥を撮りたかった。
目を合わせて日を前にする。

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土曜日, 8月 29, 2009

Water overflows.

道の上に人があふれていて、お祭りみたいになっていた。
朝起きて、ごろごろして珈琲でも飲みに行こうと話して、確かこっちに喫茶店がと言っていたら。
メロンとか、炭酸とか、婦人部のカレーなどを買ってきて食べた。
新竪町から 21世紀美術館へいろんな道を通って行こう。

「ラファエル・ロサノ=ヘメル《パルス・ルーム》+ ビー・バンジー ラップ・サウンズ・イン・プログレス」の中へ。徘徊は寝転ぶ。音はひとつ、鼓動があふれさせる。

詩を手に取った方と話をさせて頂く。こういった出会い方が嬉しい。

夜遅く、片町にある8HALL というクラブへ行った。
横に座っていいですか?とおそるおそる女の子に聞くと、小さいリュックを背負ったその子は無視を決め込んで、席を立って行った。めげずに五時くらいまでうろうろ踊る。
ビーバンジー氏とスクランブル交差点で別れた。
真顔で空が明るくなってきている。
お祭りのなかで飲み食いしたものは、そのお祭りのなかで汗になっていく。

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金曜日, 8月 28, 2009

思いの足りぬ夜を終える

思いが足りないことにもっと切なくなって。
声を上げることも、下げることもごちゃ混ぜにして前へ出して。
背中を出したくてシャツを脱ぐ。
最上階の映画館には行けなかった。雨に備えていつも傘を折り畳んでいると聞く。
タレルの部屋で明るくなるのを待ち、夜を真正面から横切った。
僕は降ってきたら、降ってきたで、楽譜を鞄に入れたままで。
くしゃくしゃにならないようにしている。
もっと守ることに切なくならなくちゃいけないでしょうと、鞭撻される。夢と混ぜこぜになって。またワインを飲んでいた。背中を掻きむしっていたのは塗り薬と温泉のおかげで治ってくれた。
先生と温泉に行けなかったのが心残り。
金沢は銭湯が温泉なの。
愛知の住む町の近所には、入れ墨でも入れる銭湯があって。
背中を出したくてシャツを脱ぐ。
もっと守ることに切なくならんと。
ベッドの上で横になり、思いの足りぬ夜を終える。
泉は朝に届くのか?

木曜日, 8月 27, 2009

蟻と満月

牛乳に惹かれて蟻がやってくる。
指先をひとまわりして、聞こえないふりをしている。
空を眺めたり、足下を見つめたり、牛乳も飲むし、お金も使う。
声がやってきてくれればと、待っている。
プールの横で自由になれればいいな。
手渡すことは全てを前にすること。
私たちの贈り物は知らない顔をしていく。
聞こえているふりもする。
牛乳を届けるふりも、部屋の中に置いていってもらうふりも。
私はここからいなくなって、また帰ってくるかもしれないし、また帰ってきたいと思っている。
七月の終わり、自室では猫の鬱の餌入れに蟻がたかってくるという事態が起こっていた。キャットフードに惹かれて蟻が栄養を付けていた。
八月の金沢は名古屋よりずっと涼しく感じられたけど、部屋の床を這っていた蟻は大きかった。指先を牛乳に漬けて、惹かれるようにするまで蟻は床と布団の間に隠れていた。
川沿いから満月は見えない。
もう三日で九月だねと話すころ、もう三時間足らずで夜が明けるところだった。
部屋の冷蔵庫には梅酒が残っている。
しんのすけさんに運んでもらった瓶ビールは全て空き瓶になっていた。
ビール瓶の中を 蟻はくぐっていかないのか少し思い浮かべる。
確証よりも心配から、蟻は牛乳を月まで持っていくだろうと思う。
そうすると、ビール瓶に牛乳を入れたらどうなるかなんて思ってしまう。
台所の壁のでっぱりに名古屋市科学館でもらった月の早見表を立てかけていて、それを見ては川沿いに出たつもりになっていた。
蟻は川も知ってるか。怪我も ときどきして。
少し前に絵本を読んでいた。
牛乳は東京ストアーで求め、猫の鬱の写真を送ってもらった。太ってた。

水曜日, 8月 26, 2009

ヤー 運転手は君だ。車掌は君だ。

徘徊のなかで、みかん電鉄の最終運行に乗ることができた。
じゃんけんで一時期 運転手にも、車掌にもなることもできた。
運転手は君だ。車掌は君だ。
芝生まで出ていくと、いろんな人が微笑みかけ、いつか一人になったときもそれは思い出すことができる。おしゃべりを経て。

昨夜は、先生とヤッホー茶漬けへ行った。開いていないと聞いたが諦めきれず、帰り道だからと覗いてみたら開いていた。
ヤッホー
もはや、ヤー
他には何も言わないで。
ヤー
ヤッホ
ヤッホッホ
ヤホーッ
ヤァー

七百円のお釣りねヤホー。と言われ、悔しいよと五月蝿く歩く。
君はいろんなことを話してどこへ君を連れて行く。
ずっとヤッホーを返し合っている。
丘を経れば君に会える。

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火曜日, 8月 25, 2009

楽譜を呼んでくれて

蝉が鳴いていた。
多くの人々が詩を取り囲み、通り過ぎ合って行った。
手で渡してくれる人が、声で渡してくれる。
私たちの周りは散らかし放題で、
誰かがメロディを見つける。調律の前に。

市内の公民館でピアノを聴く。
いつか僕が書いた詩に楽譜を呼んでくれて、渡してくれた。
僕は楽譜が読めないので、今晩にそれを聴かせてもらったのだ。
「私たちの子ども」
という仮題を付けてその詩を呼ぶ。
詩のなかに 私たちの子ども という言葉が出てくるから。
夜の公民館にも蝉の鳴く声が入ってきていた。
僕はピアノと詩を読んだ。
アメージンググレイスの伴奏抜きを聴き、そこでつくった詩も。
ベートーベンにも。
玄関を出ると海があって、その前に緑の光が靴の中に注いでいた。
私たちは魚介類を、まだかろうじて開いていた市場の店で食べた。
padol でワイン飲む。
昨日から来られた 先生と、一本頼んで分け合い、瓶を漬ける氷を下さいと言う。
social で社会人の部活をやっていて、今夜は美術部(!)らしいので覗き込む。調子に乗って、先生に紹介までして頂く。
夜に夜を描くという正攻法は好きだ。

月曜日, 8月 24, 2009

道はつながっているんだから

もっと気軽に僕は座っていた。
もっと深刻に本を開くべきだったのだろうか。
川沿いの魚介類を出す飲み屋さんや、お茶屋さんにて飲ませて頂くまで、いろんなところを回った。
東山から坂を上って、街を見下ろした後に 猫のおしっこ臭がしてくる空き家の猫屋敷を見つけたり、家族ぐるみで通っているという うどん屋さんでご挨拶をしては恋人の出現を聞いたり。

海は近いようで遠く、
外は静かなようでうるさい。
中毒をして生きていくことのできなくなった若者は、
次はどこの国へ行くか分からない高速船に乗って吐きでもしたら、きっと少しらくになる。

道はつながっているんだから。

日曜日, 8月 23, 2009

探しまわった

夜遅くから帰って鉢合わせで驚きあってしまった。
犬の散歩をして 元気だと聞こえてきた。
午前中に、兼六園を超えたところにある kapo へ。「Hokuriku Art Table × 萃展」を見る。
kapo は、小さな部屋の雑居ビルではなく、大きく開けているフロアが魅力のアーティストランスペースだった。大掛かりな作品展開とかもできそう。
一階のカフェでカレーを食べる。名古屋から来てくれた美大生の子とお昼。
美術館で徘徊をしているときに出会えたらいいねと話す。

午後一時、不満合唱団の発表があり、力強かった。前日に他の国での不満合唱団を映像で見ていたので、思い入れも強くなった。不満を歌えば、何を不満に思っているのかが明らかに共有できるから。これは知恵のある、市民革命のきっかけを持った作品だ。不満を与える側にも、受ける側にもいくらでも立つことがある。
にこやかに歌い、拍手をした。道路では選挙活動が熱弁されている頃だっただろう。
二時からは湯浅誠さんの講演「つながりの中で生きるために」。
反貧困ネットワークの活動を語られた。貧困と貧乏は異なる。利権のあるところから ありとあらゆる抑圧が重ねられ、底辺ほどすぐには自由でない状態に追いやられている。人が自由になるためには抑圧と不条理を理解する必要がある。その為に学ばなければならなかったのだ。
ナイキ公園の問題も挙げられていた。ホームレスのことなど放っておけという思考が、自分が負け組になった途端に自分を責めて自殺に追いやる構造を呼ぶとリンクさせて聞いた。
反貧困バッジを頂いたので、それを付けて徘徊をしたが、閉館間際になってどこかに落としてしまったことに気付く。「貧困は見えないかたちで潜んでいる」「貧困を見つける為の取り組み」などの話のように、さっきまで歩いてきた道を戻り、反貧困を探しまわった。
名古屋からの美大生の子、他にも来てくれた面々はどこかですれ違っていた。

http://www.kapolog.com/
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http://www.complaintschoir.org/
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=654
http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/

土曜日, 8月 22, 2009

とても素敵だじ

詩集の第二版を発行した。自分で構成をし、部屋でプリンターを用いて刷って綴じたもので、金沢21世紀美術館のショップで扱って頂く。
「徘徊する詩 "愛の前"」だけでなく、「言葉で願う夜」なども収録した。

初版を求めてくれたということを、その方から直接聞き、嬉しい。
宇宙軒食堂は、飲み屋ではなくてしっかり食べるところで、本当に食堂だった。どこか近未来なレイアウトに感じられる店内だった。結局は、飲み歩きに回った。
つまらない話を強要する男と 恋人であろうとする話を強要する男が、同一人物であるからいろいろ面倒だ。犬と牛乳は静かに繋がる。朝が来て自転車は駐輪場から運んできておいたのですぐに出発できる。方言の話と血液型の話は嫌いだと学生のときに豪語していた自分だったが、方言をみっちり教え合うとしたら良いかもしれないと揺らいだ。犬がなついてくるかがここにかかっている。犬と牛乳を愛する眼差しはとても素敵だじと口に出してみる。
詩集、良いじと言われ、嬉しい。

金曜日, 8月 21, 2009

雨と海と薔薇と右目を左目で見る駅前

美大卒業一年組は郊外のホテルを取っていたので、彼女らと落ち合う為に分かりやすいポイントへ行こうと室生犀星記念碑へ出る。でも結局はそのメンバーの中で、海へ行きたい者と美術館でまたじっくり見たい者、金沢市内を散策したい者に分かれていて、もう合流しないということになる。マイペースな連中に真剣に対応していると こっちが疲れるとは、京都や直島へ行った多くの卒業旅行の要領の悪い展開で充分に学んでいたところである。こちらもマイペースに向かえば気楽なもの。室生犀星の あんずよ花着け も、気楽な姿勢が豊かだ。
徘徊をしていると雨が降ってきて、大きな窓にたくさん雨粒が付く。風も吹いているようで、粒が増える面が移動している。
海に行った連中は相当降られてしまったのではないかと心配になる。

広瀬光治さんと西山美なコさんの「ニットカフェ・イン・マイルーム」で、はじめて編んだ。
ゆび編みを丁寧に教えてもらうことで、薔薇を作ることができた。
教えてくれた方が丁寧なのは、ずっとつきっきりではなく、ある程度教えたら離れて、ちょうどいいところでまたヘルプをしてくれるという距離感にあったように思う。
次はひとつ上の かぎ編みだと言っていたら、一緒に行っていた馬場さんは かぎ編みで星型の花を作り上げていた。彼女は編みものを用いた作品を作っているんじゃないか。どうりで。

みかん電鉄にも皆で乗車した。みかん飴で、「右目を左目で見る」というゲームは確か TAMAラジオで乗車した時に、村井さんが考案していたものだった!
皆で輪になれば 右目で左目を見ることができるよと馬場さんか、伊藤さんが思いついてくれたので、そうした。

雨は強くなり、タレルの部屋が凄いと子どもたちが石の上を行進していた。
海に行っていた彼女たちが帰ってきて、ターミナル駅前で落ち合った。
そして、レンタカーの返却があるからと帰って行った。
僕は手を降り、また 詩に出会おうとする。

http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=45&d=461

http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=660

木曜日, 8月 20, 2009

室生犀星記念館へ行く

室生犀星記念館を朝に観覧した。
二階にあるボタンを押すと、室生犀星自身による詩の朗読が聴くことができて、それがとても良かった。
詩の姿勢と声が同じだったから。
萩原朔太郎との深い交流からだろう、犀星の詩集も装丁を版画家の恩地考四郎が行っていた。
「愛の詩集」(1918)の、装丁は情熱と切実さに溢れた赤色で目を惹く。
いま新刊で出ている復刻版は似せている印象だけで、違う意匠と薄い赤色なのが残念。
「抒情小曲集」(1918)の自筆原稿の復刻版を買った。
本にする直前の原稿なので、犀星自身の線で削除印とか ペケが引いてあるままを見れるのが良い。

昼の美術館へ向かうため、犀川の橋を渡った。
夜は みかん電鉄の大橋さん 宮武さんと、美大卒業一年組とで padol で飲む。そこに行くまでに、喫茶ローレンスと魚介類の飲み屋さんを梯子していた。
翌朝は犀星の記念碑へ行こうとぶつぶつ。padol では わぁわぁ。

http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/bunho/saisei/

水曜日, 8月 19, 2009

もはや足音を消さない

中に行くというメールも届く。
草むらに座っていた日の写真が添付されていた。
それでも変わらずに私はやり続けるという話をずっとしていた。
男の話は互いに長く、思いは燻りはじめた頃からずっと変わらないはずだった。
猫の名前を教え合い、携帯に入っているお気に入りショットを見せ合う。
帰ったら玄関まで向かえに来てくれる猫は、もはや足音を消さない。

dota dota dota

フローリングの床に散乱する紙は所在を求める文字たちが行き交う。紙の上を滑走する私の目玉は、文字があるべき位置で発する深み、総体としての言葉へずぶずぶと入っていくのを待っている。

火曜日, 8月 18, 2009

ずっと思い続けている時間

超南と星から葉書が届く。
手書きの文字は声のよう、一文字ずつがあなたの顔。並ぶ顔を見渡すのは言葉と言葉の間で揺れ動く表情を見ること。
あなたは笑っているばかりじゃなく伸び値縮みをしている。
そちらの陽射しは熱いけど、湿気が無くて気持ち良くて、急に雨が降ってきたり。
こちらは日本海の方に向かって水が流れていて、同じく突然の雨が多いから、折り畳み傘は必需品だそう。
シャッターを押すことや、声を出しはじめることに至るまで、文字を書き始め、投函するに至るまではずっと思い続けている時間である。あなたが写真を取り込むまでの間、ずっと心のなかに丸めてあったフィルムだ。

月曜日, 8月 17, 2009

オンのまま、オフを持ち

夕べは social にて太鼓のライヴ「ンダナ(N'DANA)」と絵描きの ミツル・カメリアーノさんのライヴを見た。ステージから降りて、観客と同じ高さで地続きになって、アフリカの民族に伝わっている 精霊と交信する為のリズムが叩かれる。
それは憑依だった。
自分がオンであるか、オフであるか、帰って来れなくなることはないのか。
夜道で語るうちにどこへ向かっていたのか。

起きて、月曜日は金沢駅へ。
桑さんとセバを見送りに行く。
駅構内にある喫茶店で、どこからどこまで徘徊する詩だという括りは無いんだ と話した。
ライムサイダーに入れられた 1/4切りのライムにはライムのブランドシールが貼りっぱなしだった。客がトレイを返す形式なので、客が運んでいても店員は声ひとつかけてこない。レジは向こうを使えと、チーフはきつい口調だ。あんなチーフだからシールが入ったりするんだと短時間で文句を言い、二人を見送った。
「おやこ刑事」(作, 林律雄/画, 大島やすいち/1977-1981)の続巻と、おにぎりを頂いた。
紙袋に入れてもらったそれを見ながら、来た道を歩いた。

人でなくなる!戻ってこれなくなるわよ!と叫んだ赤木博士のシーンを反芻。

http://www.k5.dion.ne.jp/~yamakita/ndana_profile.htm

http://web.mac.com/ukichido/iWeb/Site/74B40140-321C-41ED-AE83-928124439163.html


日曜日, 8月 16, 2009

柄よりも形容し呼ぶことができたとき

午前中に、犀川を超えた向こうにある「妙立寺」人呼んで 忍者寺を見た。
「死者の間」が一度も使われなかったから、いま私たちは寺を見ることができた。
親切な案内はいま目の前で行われ、ここで想定されていたのは巧妙な戦いだっだ。

美術館の床は昨日の熱を帯びているようであった。

ちょうちょが窓に停まる頃、その羽根の色を柄よりも形容し呼ぶことができたとき。

http://www.myouryuji.or.jp/

土曜日, 8月 15, 2009

もっとうごめきに近い

イトーターリさんの「ひとつの応答」に出会った。

私たちが見ているものは、私たちの前にある荒野。
私が向かう分だけ、荒野はその暴れを見せる。
コンクリートの床の下にうごめく行い。
床の上で書くとき、机の上より、もっとうごめきに近い。

http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=653
http://itotari.com/

金曜日, 8月 14, 2009

草むらに座る

私たちは出会って
草むらに座る
珈琲と古いカメラは相性が良い
詩と写真も相性が良い
どんな風に写っているか楽しみだねとおじさんは言った
それが良いやねと続け
週末はすぐに時間が経つけれど
いろんな時間が同じく流れていて
姉妹のように歩いて旅立って行った
弟だけが文句を言い
そのうちに何をやっているのか問いつめはじめるだけ
そんな意味ばかり追いかけるのなら
文句を言わずに追いかけて
草むらが川の前に広がっているのを読んで
どんな風に吹かれるか楽しみだねと
言い合えるかな




木曜日, 8月 13, 2009

心を静かにして読むのよ

タイソン氏、金沢入りした藤井さんと、三人でターバンカレーをお昼に食べて別れる。

日中、写真家の藤井さんと徘徊。
記録撮影ではなく、見ているものとの距離として撮るようになったと話す。
もっきりやで珈琲を飲む。
お盆で人が多い。ここは静かで落ち着く。
プールのなかは混み合っていた。
通りに置いていった詩に、「心を静かにして読むのよ」と連れに言う女性の声があった。

金沢が地元の桑さん姉妹と、セバ氏と合流して夜に会食。セバと将棋指す。日本人破れる。
桑さんにお借りした大判コミック「おやこ刑事」(作, 林律雄/画, 大島やすいち/1977-1981)の第一巻に、主人公の親子が、療養先の旅館で刑事という素性を偽って「棋士」と「詩人」と名乗る話があり、僕とセバじゃん!と一人で興奮した。後に桑さんにメール。知らなかったと驚く。棋士と詩人はそこの若女将にデレデレという展開。

http://turban.hp.infoseek.co.jp/
http://www.spacelan.ne.jp/~mokkiriya/



水曜日, 8月 12, 2009

くせっ毛

日を重ね、語るべきことが明るみになる。
言葉の行き交いは身体を通されたもの。
指先だけでも、身体を通すもの。
あらゆる物事は動きを持って出会う。

海鮮ものを飲み食いし、「puddle」に流れた。「sosial」で開かれていたチクチク部を覗かせてもらった。楽しげでいいな。犀川沿いの部屋は物で溢れてきたのであった。事を通しての物だ。
藤井氏ことタイソン氏が部屋に絵を描いてくれた。「インスタント沼」のチラシにあった麻生久美子を見て、女子を描いたという。どこかに言葉を一筆と言われたので、鏡文字で「くせっ毛」と入れる。部活の先輩がくせっ毛だったとよく見ていた絵描き。事を覚えては物へ。

http://www.puddlesocial.com/


火曜日, 8月 11, 2009

応援する

はじめて僕の作品に触れる 両親は、置いてけぼりの詩が風で吹き飛ばないように百円ライターを置いた。禁煙を決めたわけじゃない。吸わなくちゃやっていけないようなおとうさんだ。けたたましい選挙の演説が聞こえてくる。いろんなことが変わろう変わろうと口を合わせていた。
日帰りでゆっくりはいられなかったけど、ポテトサラダとか豆の煮物とか差し入れをして下さった。美術館の駐車場まで見送りに行くと、エレベーターのところでいいからと手を振った。ちゃんと仕事しなきゃなと。笑っていた。

晩には、数日後に金沢入りの予定をしている藤井さんに電話で報告をした。
藤井氏こと通称タイソン氏と、東京ストアーで弁当を買って、頂いたタッパーも並べて、昨日の瓶ビールといっしょに食した。
NHK で「東京大学応援部」のドキュメントをやっていて、二人して興奮した。

月曜日, 8月 10, 2009

特別な

詩集の印刷に必要なインクを求め、しんのすけさんに車を出して頂く。
「仁さんが知らない金沢、きっとその時出現注意ですよ!
ヤバイかも・・・・・」
と書き込みの真意が徐々に明らかになっていくドライブデー。
道中は日々のこれまでなどを聞いた。
カーステには、Misia。

お好み焼きを食べ、湯涌温泉ふもとの足湯でくつろぐ。家電量販店でインクと紙を買った後は、瓶ビールの黄色いケースも一つ買って運んで頂く。湯涌から金沢城まで石を引っ張ってきたという「石引」のあたりを走りながら、人力だけで瓶ビールのケース一つ運ぶのも一苦労だという話をした。
その足で、成巽閣に連れて行って頂く。前田家の奥方を住まわせていたお屋敷で、言わば兼六園を庭にしていたわけか・・。労を惜しまぬ工芸と、最上級の品の良さが全体を満たしていた。
まだまだヤバイ!ところはそんな一日じゃ足りません!と、今日は部屋まで送って頂いた。感謝しきり。

昨夜から美大卒の藤井氏、通称タイソン氏が金沢入りしているので、夜は彼と飲みに行く。卒業一年目がいちばんたいへんだよねと話す。
彼は金沢を歩き回るので、地図もあるからとミニコミ誌の「そらあるき 09号」を渡していた。一日目にして既にボロくなっていたのが嬉しかった。

http://www.seisonkaku.com/

http://www.soraaruki.com/
http://www.youtube.com/watch?v=JeYJnSuYgrs

日曜日, 8月 09, 2009

ぐるぐる動きを絶やさない

朝十時、牛島さんが帰られるので、古本とカフェの「あうん堂」で卓を囲み ご挨拶。
店の前の一本道をずっと背中は歩いて行った。
詫間さんと、東山茶屋街を歩く。案内ボランティアのおじいさんが窓の造りや、江戸時代からある銭湯などを多く教えて頂く。茶屋街にある洋食屋さんでお昼にオムライスを食べた。持ち金が無いので詫間さんに一時お借りする。ありがたし。
昼一時より美術館内を徘徊。
三時に 美術館友の会のツアーにて、アーティスト・トーク。島袋さんと奥田扇久さんのトークは楽しかった。

空から地下へとぐるぐる動きを絶やさない。
夜は詫間さんが終電で帰る ぎりぎりまで食事。
西から東へとぐるぐる動きを絶やさない。
タクシーは出て、今朝に牛島さんが並んだのと違うホームか同じホームに皆並び、あったことを持って行く。これからすることが前にあり、あったことも前にある。

日中から「するめ小学生」と始め出した詩を読んでいた。

http://dameno1135.blog50.fc2.com/blog-date-20090809.html

土曜日, 8月 08, 2009

詩人用

徘徊のさなか、出会う物事 数知れず。

玉ラジオにてアコーディオンとバイオリンの間で読む。さっきまでいた詩人はすぐにいなくなる。水中カメラで追いかけられたのは気持ちで、漫画よりも手をつないだままの二人も夜の町へいなくなった。
光庭にてひょうたんオーケストラに耳をすました。音量が小さいから、みんなで音を立てないようにして耳をすましたのが良かった。

無力を論じる男に理解はするが、同情はできない。
「詩人用」と書かれたチョコワッフルを贈られて、犬用 猫用みたいだねと嬉しくなり、そこから歩き出した思いは数多くあると思うんだ。

金曜日, 8月 07, 2009

TAMA TAMA RADIO YAHOO CHYADUKE

玉玉ニュースには 粉川哲夫さんを受信している発信文が載っていた。
黄色いシャツを着てまた徘徊を続ける。

ラジオドラマ《いたって平均的な私の一日》第二回に、詫間さんと声の出演をした。僕は女たらしの たくや役で、詫間さんは OL(おそらく)の みなみ役だ。
局にて公開で掛け合いをしているうちに、特別完全即興ドラマ《いたって平凡な私の一日》をする。台本無しで たくやとみなみの会話は続く。音楽は何が流れていたのだろう。恋のときめきが聴きたいと聞いた。
「人生は一回きりだから、楽しめ」なんて勝手じゃない?と問いかけられ、三十過ぎは黙ってしまう。

その晩は日本語が崩壊したお茶漬け屋さんに連れていってもらった。
壊してしまったほうが、黙ることも壊せて分かり合えるのかもしれない。
山彦の嵐に笑った。

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木曜日, 8月 06, 2009

社会的行為

詩集を売り出すのは社会的行為だ。編集、印刷、発行人は詩人本人である。

徘徊のさなか、牛嶋均さんのラジオ放送局「TAMA」の番組制作に参加させて頂く。
温泉を二件はしごする収録。終わったころにはもう茹でダコ。
一緒に餃子の王将で夕食。少しビール。餃子とソフトクリームも頼んでスガキヤスタイル。これから原稿作りと編集とのこと。放送は明日だ。
放送こそ社会的行為だと認識されやすいが、その公共の電波に個人発信を持ち込むのが面白い。

水曜日, 8月 05, 2009

幻のコーヒーミルクゼリー

床に置いていった詩は、今日も椅子の上に座していく。お昼一時の空は鰯雲だった。魚を浮かべて飛びつく猫になり、恋を思い、背中に塗り薬を塗るときの、逆流する鯉を流れに戻すようだと、指先の思いになった。
純喫茶ローレンスで幻のコーヒーミルクゼリーを頂く。バニラアイスが上に乗っていて絶妙で、とても美味しかった。
近くにプリント紙を扱っている店を見つけたので、買い込み、早く帰って詩集の印刷にあたる。所謂ポートフォリオのような雰囲気の、これは詩集である。いままで暫定的にレーザープリンターで刷っていたものには入れていなかった「おじいさんに会いに行く冬。」の詩を部分ではなく、全編収録することにした。試し刷りを読んだときに自分で、詩の部分では物足りなく思ったからだ。昨夜はビートたけしの悪ノリ番組を見てしまい、夜更かししていたが、今日は若者のドキュメンタリーを流しながら印刷をする。昨夜は「ソラニン」(著, 浅野いにお/2005-6)も読了していた。爽やかなんだけど、やりきれない思いになった。なんだか ずるいとか思ってしまった。思い出すとそこまでずるくはないかとも思う。青春はどれも理不尽なものだから、ずるくていいのかもしれない。詩こそ、純粋にずるいものもないだろうと勝手な自問をし、黙々と印刷する。プリンターが言うこと聞いてくれるうちに走り切ってしまおう。深夜に犀川のほとりで詩集を刷る男がいるなんて、室生犀星は思ったかしら。室生犀星もそんな感じだったかな? いまこそ室生犀星の本を読むべしだ。現在形の言葉を持つためには名作を読んでこそ、携帯メールに手を抜かぬこそだ。
昨日の昼間に ひょうたんの緑が溢れている光庭で詩を書いていたところを撮られていた。インクジェットで印刷してもらったものを頂く。それを紙の上に置いて更に撮影する。どちらも詩だ。合わせたこの一枚が詩だ。ひとつずつ続いていく。
今日は緑を反射する LOVE の音楽を耳に付けて詩を書いた。ビーバンジー氏の歌もずっと続く。今月末にはまた会えると知る。
ローレンスには久しぶりに会った後輩と行った。彼女は芸術って何なのかと悩んでいると言った。
今日は幻のコーヒーミルクゼリーを食べることができたんだ。

火曜日, 8月 04, 2009

風を受ける詩

プールサイドにて風を受ける詩を見つめていた。
雑民党のアイウォンチュ〜を前にした後で、岸本清子さんが名古屋のどこで発表していたなどを後藤泰洋さんに聞く。後藤さんは飛んでいた詩を持ってきてくれた。僕が床に置いていった詩は、どれも椅子の上に動かしてくれてあった。誰かは知らない。
それから、また別の椅子の上に、誰かが置いていった鉛筆を拾って詩を書いた。三菱ユニの臙脂色塗装の4B。僕がいままで用いていたのは三菱の緑色塗装のHBだ。四年前、ブレーメン滞在制作時に「鉛筆はミサイルとロケットを持っている」という作品を制作しているときに送ってもらったもの。今回、金沢の部屋にはそのときの1ダースの金色塗装の箱を持ってきている。机上スタジオが広がった。
閉館時間まで浮いたり止まったりを繰り返していた詩は、家族連れの方が掴まえてくれた。

月曜日, 8月 03, 2009

現実、語るべき方法について

部屋で行うべきは新しい作品集を刷り上げ、生産すること。そのためにプリンターも名古屋から宅急便で送った。
しかし刷り上げるための紙が足りないので、周辺へ売っている店を探しに行く。
ダイソーで消耗品を少し買い、無印良品まで歩いて、マルチパンとコップを買う。既に両手は塞がっていたが、その足で東京ストアーというスーパーマーケットへ行った。地下一階、地上二階の入り組んだ構造になっていて、地下には魚や肉、冷凍食品が売られている。なんだかアジアな雰囲気にわくわくする。インスタントラーメンやペリエを買い、重い重いと部屋へ戻った。プリント紙が見つかっていないので、郊外の家電量販店へ行くかと調べると、これがかなりの遠出になることが分かり、地図を見ながら声を出して笑ってしまった。ネットで買うしかないかと迷っているうちに、眠気が訪れる。
夕方から夜にかけて仮眠。起きて、ラーメン。今朝、押し入れにしまいこんだテレビを引っ張り出してきて、点けて、NHK で沖縄戦のドキュメンタリーをかけながら作業。途中から見入る。現実、語るべき方法についてが続く。

日曜日, 8月 02, 2009

笑っても、欠けない

千円でたっぷり食べられる喫茶店を見つけて、閉店の九時まで話し込む。
笑ったことは、自分でも可笑しかったが、失うものではなく、それも受け入れていく。
朝も晩も、部屋のレイアウトが決まらずに落ち着かない。
彼氏らしき男の人と、金沢までやって来た彼女はとても嬉しそうだった。
彼を何と呼ぶかはきっと分かっていて、帰りの車でも話が止まらないそうだ。
橋の上にて笑って別れた。一人で入ったコンビニで何故か芸能人のワル伝説とかいう安い漫画を読み込んでしまった。

土曜日, 8月 01, 2009

詩は細かく場所を探っていく

昨日の日中は、とても美味しいキャンデーを貰った。舐め終わるまでにしなければならないことをする。体育館は蒸し暑い。クロネコヤマトに段ボール箱を取りに来てもらう。自力で持って行くことを考えればすごく便利だ。感謝しつつ体育館は後で行くことして、ギャラリーではなく この町のお店の空きスペースで展示されている個展を二つ見に行く。個人病院では萬未来子さんのインスタレーション。布でつくった万華鏡が吊り下げられていて、仄かな色だった。洋菓子屋さんでは三枝由季さんの「僕はキラキラさんのためにつなげるだよ」と言葉を綴る展示。キラキラさんはどこにあらわれるのだろう。どちらも誠実に全力だった。体育館へ着いた頃には既に大きな絵が並べられ、来年には何かあるんじゃないかという気持ちを少しは持てたか。

今日の朝は、新幹線と特急を乗り継いで金沢へ向かった。
今月に金沢で滞在する部屋の鍵をもらう。開け閉めの方法を聞き、雨のなか不動産屋さんの車で移動し、美術館の前で下ろしてもらった。
今日は川で花火があるらしく、夕方が近づくにつれて地響きが聴こえてきた。詩は細かく場所を探っていく。