木曜日, 6月 30, 2011

涙でなく泣け

大丈夫だよと言ってくれたアトリエは、無くなっても綴られる。
彼がどんな選曲をし、彼女らは何を聞いたか。
ひとつひとつの謎を前に、しどろもどろ。
慣れた手つきで筆を持ってくる先生は内心、素っ裸になりたくて仕方ない。虚栄は付き物だ。ひとつひとつの謎を語れるか。

「Music for AirPorts」( 曲, Brian Eno/1978) で涼もう。涙でなく泣け。

http://www.youtube.com/watch?v=-PypklfMnhw

水曜日, 6月 29, 2011

バジルのサラダ

蚊に刺されてもバジルを摘んで。
しゃがみこんで、これから葉を出す まだ小さいのは摘まないで。
と言っているうちから摘むのだから。
クリームチーズは少し高いけどそのぶんとても美味しい。オリーブオイルもゴマみたいなのが和えてあってバジルの酸味と良く合う。トマトを添えて、キンキンに冷えた缶ビールはたとえ発泡酒でも、この猛暑には最高に喉を潤してくれる。
庭で育てるのに、株を分けてもらおう。

火曜日, 6月 28, 2011

子どもっぽい話を

君が飲んでいるチューハイひとつで 多くの人がいろんなことを考えた。
君が茶化しているお菓子ひとつで 多くの人が怒りに晒された。
君が愚痴っている紙切れひとつで 多くの人が面倒くささを覚えた。
君が押さえている風船ひとつで 多くの人が秘密を囁いた。
君がかけてきた電話ひとつで 多くの人が恋の再開をツィートした。
子どもっぽい話を、
夕方に駆け出す。
君と君の弟と両親の食卓は
君の姉に写真で送られる。
Skype は即時すぎて、君はまだ言葉を持たない。
それでも迎え撃とうと、必死だ。

月曜日, 6月 27, 2011

ツゴウネルワイゼン!!!

名古屋へ夜行バスで帰る。一眠りして MSN を開いたら、鈴木清順監督が48歳年下の女性と再婚と報じられているではないか!
思わず「ツゴウネルワイゼン!」と書いて、ニュースのリンクを付けてツィートしてしまった。勢いだけで、ツゴウネルワイゼンに関連した意味は無い。調べたら「Zigeunerweisen」とドイツ語で、サラサーテが作ったバイオリン曲だ。聴けば、ああこれかとなる。激しく悲劇的にドラマチックである。鈴木清順の同名映画は内田百閒の小説「サラサーテの盤」を基にした脚本らしい。自分は知ったかぶりをして、見ていない。
殺しの烙印とオペレッタ狸御殿とピストルオペラしか…。かっこいい鈴木清順が見たくなった。カメオ出演で知ったあの御御大!

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110627/ent11062710450005-n1.htm

http://www.youtube.com/watch?v=pk6H4r7FfVI&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=yHTwr380TdM&feature=related

日曜日, 6月 26, 2011

落ち着く岡山

岡山を横断するなかで、彼らとこれかどう動くかということへ常に戻ってばかりで、気持ちは前向きになりにくいかもしれなかった。三人居れば社会ができ、同じところを見てもそれぞれ違う。
商店街にあった二階建ての喫茶店は素敵だった。ニューヨークの話が可笑しく、葛藤する絵描きらは疲れてもすぐに元気だ。
それから倉敷の美観地区を歩く。
落ち着いた街並みに気持ちが落ち着いていった。





土曜日, 6月 25, 2011

考える広島

以前から生返事の約束をしていて実現していなかった広島~岡山への遠征を実行。
広島現代美術館にて 高峰格「遠くてよく見えない」を見に。単身移動する。広島は初めて行く。岡山もだ。中国地方にあまり縁が無かった。東北もそうだけど。
展覧会は同題名の図録を購入していたので 内容を知っていたのだが、関係なく新鮮だった。本とは別物であることは明らか。本では作品と作品の間に綴られていた作家の思考が、展示では鑑賞者に委ねられている。
「a big brow job」のインスタレーションを抜けての「baby insadong」という流れが、言葉の機能を疑った後の実践のように感じられ、展示の最後は壮大な問いかけであったように思う。
アーティストトークがあり、高峰さんにとって言葉とは美術表現のなかでどのようなものかという質問が飛んだ。素材のひとつであるという答えが腑に落ちる。言葉は意味から分離せず、その状態も併せ持ってやって来る。と続きを考えた。

岡山駅で夜九時に待ち合わせのため、長居できず トーク後に駆け足で原爆ドームへ移動。路面電車は便利だ。ドームの建物はちっぽけにあった。周囲のビルは大きく、日常を営んでいる。そのちっぽけ具合が如何にもそのまま残してあるという印象を受けた。川沿いでギターをかき鳴らしている大学のサークル連中みたいなのが居て、平和を訴えているかのように思えた。観光客の間を自転車で走り抜けて行く部活帰りの高校生たち。原爆資料館の立体地図の上に赤い球体が吊り下げられていた。外人らが iPhone4 でマネキンを撮影していて、ある者はハンカチを顔に付けていた。汗がとめどなく溢れる日中だ。村上春樹が先日のスピーチで取り上げた「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」がこの公園にはある。

岡山へはバスで移動。車中ではずっと iPad の戦国時代ゲーム「源平大戦絵巻」をやっていた。ちょうど岡山県にあたる「児島」を攻める。

山岡氏、中尾氏と無事に合流。山奥にある中尾氏のアトリエに泊めてもらう約束で、その前に温泉へ行きたいとゴネる。検索して、稲荷山健康センターというところを見つけ 閉館ギリで入ることができた。地元コンビニ ポプラでビールを買って彼のアトリエで飲む。

http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/takamine/



金曜日, 6月 24, 2011

去来するよう

豊田市美術館へ。
フロントガラス越しでも掌が熱かった。
松井紫朗「亀がアキレスに言ったこと —新しい世界の測定方法」見る。
くだはつなげる為のものから、空間そのものへ。
巨大な立体物なのに、現実感は無く、突如 頭上に去来するよう。
洋食屋で新聞をめくり、震災と原発と。
大事もすべて現実感が無い。去来しているかおそらくここへも。

夜、「踊 読 谷 崎 ノ【鍵】」を見に。タナカアリフミ(演出家/サイレンスダンサー)、手塚恵(朗読家)によるパフォーマンス。会場は「あうん」という割烹料理のお店。よくライヴイベントを行っているようだ。照明を落として蝋燭の光を待つ。
複雑な試みをしていながら、生真面目に小説へ帰っていく。誰かが原作がある場での動きという経験が自分には無い。
2000年にタナカさん、山田珠美さん、小松氏らとマヨネズム内で行った「SOFA-Love Song」を思い出す。
あのとき僅かに全て原作はタナカさんからだったかもしれない。
ただ詩は自分の書き下ろしだった。
誰かの言葉を呼び寄せる前に、自分へ既に去来しているものを思う。
帰るか行くかは呼び方だけで。

http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2011/temporary/matsui.html
http://www.mother.co.jp/silencescape/index.php

木曜日, 6月 23, 2011

基盤だけで遊べる時代が来るなんてね

それはゴミと化し、聞こえない、見えない。もうしらんと彼は駆け、洋楽を貪る彼女を背に。
ポリスはポリスだから、そんなに近寄って来なくて良いよ。
レッスンを忘れたタイツは独立できず、まだ浜辺に居る。
西日が強くて汗だくだ。ゲーセンでは誰とも話したくないと旧友は言った。家族のことなんて特に。基盤だけで遊べる時代が来るなんてね。

水曜日, 6月 22, 2011

涙目の

痛恨の9ピン。このていたらくなテキトーさを象徴するような。何もできない羽目に陥って。
暑さが日に増しているようだった。顔文字で話す、涙目の。機種依存で読めない。本当に?

火曜日, 6月 21, 2011

恋人の留学について

出会いたいのは彼からも。ここではないどこかの繰り返し。それは伝説に従う常だ。恋人はこっそり言葉を並べている。単純な単語で 読めない言語へ。私の思いの丈。それは普遍的に留学だ。Ich! Ich! Ich!

月曜日, 6月 20, 2011

大須で買い出し


とんちゃん屋さんで燻される USB to VGA。 それは痛恨の 9ピンなり。
スナフキンとムーミンと煮干しみたいなチョコ。夜九時 過ぎると眠気に襲われるこのごろ。

日曜日, 6月 19, 2011

since 1987 まだ君が好き

三重へ電車移動。津駅の前で kalas 最新号購入。今日は今夏に開催する 母校 久居高校の美術部 卒業生、在校生合同展「CUBE」の打ち合わせ。
チラシ、ポスターが完成したので 周囲への設置周りとメディアへ宣伝と仕事分担。そして郵送作業。かなり仕事量は多く、やり出せばきりがない。
展覧会を生業にしている者ばかりではなく、皆 二足の草鞋で取り組んでいる。その理由は「まだ君が好き」だからかもしれない。
なんて「大切な言葉はひとつまだ君が好き」(詞, 曲, 鈴木慶一/編曲, THE BEATNIKS/1987)を帰りに聴いていたからだけど。
あ、「CUBE」とこの曲は同じ since 1987 なのだ。

http://www.youtube.com/watch?v=JXTDI9ycWws

土曜日, 6月 18, 2011

きめ細かくあれ!

昼間は 地下鉄一日乗車券を買って回り、幾つかの展覧会を覗く。
一度帰宅して、今回の旅で壊れてしまったスーツケースのタイヤを修理しようとしたら 異様に眠くなって寝てしまった。
夜は福岡食堂へ遅れてしまいつつ、ドイツ土産を渡す。エンデとボイスの対談本 ドイツ語原書。
そして卒業制作のビデオを見た。それは音楽を受け手がどう愛でるかという呈示だった。
好きな方法は豊かにある。トールケースの紙帯まで捨てないもの。

それから意外にも福岡氏が好きだという「トロン レガシー」(監督, ジョセフ・コシンスキー/ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド/2010)を 2D でながら鑑賞。途中また寝てしまったが、後半は起きて結末まで見届けた。とにかく一貫した近未来デザインで突き進んでいくのが小気味良い。
父は吠えた。「きめ細かくあれ!」。

http://www.disney.co.jp/tron/

金曜日, 6月 17, 2011

どうでもいいことの快楽は強い

三年目の先生宅で神様の乱入。何故に制服がこうも崇高に扱われ、毎日まいにち トップニュースで AKB48らのことを騒いでいるのか。
いかにも海外かぶれの嫌な奴の言葉に果てそうだが、ここまで AKB48一色だったか。もっといろんな人がいるだろうに。いや、48人もいるからそれもカバーできるのか。
ドイツでもてめえが読めていないだけで芸能ネタでみんな昼休みは埋めてるんだと言われそう。実際には昼夜を問わず深刻な話ばかりしていられないのも分かる。ただ、自作自演のどうでもいいことの度合いが半端ない。いや芸術がここまで人を喜ばせているか?という問いが飛ぶ。わざわざ写真を油絵に描くことはない。どうでもいいことの快楽は強い。

AKB48 よりも古い、老舗 制服アイドルグループ、制服向上委員会が「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を発表したと知る。PANTA プロデュースあたりから、やたらに どうでもよくないことをどうでもいいテイストで訴えてきた ある意味ストレートで、ある意味 屈折したアイドルだ。化粧をしない、基礎スキンケアだけという印象の 恐ろしく素人なのがまた強烈である。
ここに、日本のアイドルの奥深さがあるのだろう。やはりメディアは一部しか宣伝しないが。

つまりはみんな制服を着せればアイドルプロデュースできると、誰が気付くかだった。漫画でもそう。

http://www.youtube.com/watch?v=Es75yjeaGII&NR=1

木曜日, 6月 16, 2011

朗読会でウケなかったから終わった途端 駅まで走ってパリへ帰っちゃう

寝れなくてツェランの本を読む。ドイツ語の Danken 「感謝」は、「思う」という語でもある。ブレーメン文学賞講演でそれが語られていた。
そしてフランクフルトの小さな通りのホテルで書かれた詩。
それはこんな思いではなかったか、と、この本は 大詩人の軌跡を追う。
詩の手ほどきを持った文学書であり、旅の綴りだ。
そして日本語だけでなく原文のドイツ語が並んでいるのが素晴らしい。

「パウル・ツェランへの旅」(著, 関口裕昭/2006)。

http://paulcelan.blog45.fc2.com/blog-category-16.html

水曜日, 6月 15, 2011

鳥串の横にヨーグルト

エリンギの味噌汁。駅前の鳥串。ピノもどきアイスクリームパック。安価な布テープで充分な梱包を。笑顔だけではない、美味しいものを探す目で、可愛がられる猫とムーミン。猫の鬱は可愛げ無いが、二階建てを始めて昇り降りして強くなった。足腰だけでなく、目つきが人を迎え入れる。自分には吹きつけ、蛙の鳴く田んぼを見下ろしている。千円くらいの上昇で原発の恐怖から逃れられるなら安いもの。いや本当はもっと面倒なことを僕らは話されているはずだった。何もないか。騒いでも何も起こらないから、部屋掃除に行き着くべきか。グラビアの語源。鳥串の横にヨーグルトを置いた彼は。

火曜日, 6月 14, 2011

ニャンチャンと遊びたい

猫の鬱は、渡独中に預かって頂いていた。
部屋は荒れ狂ったまま、鬱が居ないと寂しい。
無印良品の前でばったり会った 中山双葉さんの歌に「ニャンチャンと遊びたい」というのがあった。そんにゃ気持ち。
昨日、今日は蕎麦だけ食べて寝倒してしまった。

http://www.youtube.com/watch?v=OGv1gsNtOSY

月曜日, 6月 13, 2011

飲食 何を疑うか

焼酎ボトル六百円の店で、五月蝿い人。
いろいろ述べたくとも帰りは寝ていて、乗り換えに起こしてもらう。
原発報道は妙にマイルドになっている印象を受けた。テレビや新聞は穏やかに見れるという仕事をこなしている。ネットでは如何に生き延びるかを指南する者がいる。

ドイツでの食中毒、大腸菌 問題は、出元が特定できず、それでも皆 サラダを食べていたので、出して頂いたものは食べた。風評被害には立ち向かうしかない。福島産の野菜も、大丈夫だとされているものは食べる。激安をうたう店のほうが危ないかもしれない。

日曜日, 6月 12, 2011

ごそっと

機内の小さな座席画面で「ゲゲゲの女房」(監督, 鈴木卓爾/吹石一恵、宮藤官九郎/2010)を見た。
備え付けのイヤホーンは音が悪くて、ポコポコした音楽の奇妙さが充分に楽しめなかったけれど、吹石一恵の慎ましい声と、クドカンのハッハッハッハー。(これは水木しげるの口癖)気持ちよく。しかし背景に現代の町並みをそのまま映すことには賛同できず。無理矢理な演出かなと頭をかしげる。

主題歌が流れてきて、帰りには誰も頼んでいないビールを出してもらったりして。
また ひと眠りする。
ラブラドールレトリーバーの愛犬たちを思い出す。

http://www.gegege-eiga.com/

金曜日, 6月 10, 2011

Berlin again.

長距離バスでブレーメンからベルリンへ戻る。
フランクフルト、ブレーメンと数日で回ってくるという詰め込み過ぎなスケジュールで 疲れきったが、久々の面子に再会することができて何よりも嬉しかった。
DMY での「Berliner Naruheso Weltzeitung」を通して出会った方は、ドイツの方に限らず 様々な国の人々だった。
ベルリン自体が国際的な都市で、様々な人が集まって来ている。
日本人の方にも多く会った。
皆、何かをしようと動いていた。


水曜日, 6月 08, 2011

Mitfahrgelegenheiten

21歳、ペルーから来た留学生の彼が、背後から僕の名を呼んだ。「ジン、行くよ。」