金曜日, 8月 28, 2009

思いの足りぬ夜を終える

思いが足りないことにもっと切なくなって。
声を上げることも、下げることもごちゃ混ぜにして前へ出して。
背中を出したくてシャツを脱ぐ。
最上階の映画館には行けなかった。雨に備えていつも傘を折り畳んでいると聞く。
タレルの部屋で明るくなるのを待ち、夜を真正面から横切った。
僕は降ってきたら、降ってきたで、楽譜を鞄に入れたままで。
くしゃくしゃにならないようにしている。
もっと守ることに切なくならなくちゃいけないでしょうと、鞭撻される。夢と混ぜこぜになって。またワインを飲んでいた。背中を掻きむしっていたのは塗り薬と温泉のおかげで治ってくれた。
先生と温泉に行けなかったのが心残り。
金沢は銭湯が温泉なの。
愛知の住む町の近所には、入れ墨でも入れる銭湯があって。
背中を出したくてシャツを脱ぐ。
もっと守ることに切なくならんと。
ベッドの上で横になり、思いの足りぬ夜を終える。
泉は朝に届くのか?