母校の美術部の展覧会だからこそ、母が子を描くという素朴な絵を出そうと思った。
母の絵が二枚並ぶ。額を分けて、でも繋げて 祖母が叔父を抱いている絵を、写真を見ながら自分は描いた。
絵は放っておいても、こっちにやってくる。
詩は待っている。
それらが集まるのは絵手紙や、絵葉書や、絵日記や、色紙や絵本や挿絵や新聞や。いや、文字は余計なのだ。意味を放ちはじめてしまうと、急にありがた迷惑がはじまる。「こども」と題したそれはこれからの仕事に続く。
展覧会の打ち上げ、懇親会の挨拶で自分はその胸中と、在校生にラブコールを送った。
三年は長いようですぐだ。
台風もまた来るだろう。
告白とパエリヤと猫の散歩とフィナーレに向けて、「こども」を私たちが描いている。
http://jinmurata.jpn.org/poems/kodomo/index.html