土曜日, 3月 25, 2006

「TAFF'06」を見に行きました

風邪気味の自覚を押して動いてみる。鼻水対策に、ポケットティッシュを鞄に押し込んだ。
愛知県の南部、武豊町にて行われた「武豊アニメーションフェスティバル」通称、「TAFF'06」を見に行く。福岡氏と電車を乗り換え、駅前のコンビニで道を聞き、アメリカンドッグなどを買い食いしながら、田んぼの間に延びる新しめの公道を歩いた。
会場も、新しめの公共施設で、その一角にあるホールにプロジェクターとスクリーンが設置されている。一時からの開演だと思って、少し遅れてしまったと悔や んでいたら、一時開場、二時開演だった。武豊町も合併なのか何か知らないが、ゴミ処理が変わったとかいうことで、施設内のゴミ箱は全て撤去されており、コ ンビニの小さな袋を握っているしかなく困ってしまった。いまや、駅のホームにもテロ対策や、家庭ゴミ対策で同じような現状であるから、ゴミ持ち帰り用袋な どは、必須アイテムやも。
気持ちいい天気の、穏やかな地域に来たからには、ゴミはちゃんと分別して捨てて、気の赴くままにぶらついてみたい。アニメーションだよと聞いて、眺めてみ たり、発泡酒も美味しくなってきたねと講釈を垂れてみたり。イベントの主旨とは別に、僕は楽しい構造のポイントを何かと求めてる。

TAFF'06 の企画者、吉田氏と立ち話で挨拶をし、椅子に座ってから、壇上からの挨拶を聴いて、拍手をする。
四部構成のプログラム。趣向に富んだ現代的なアニメーションが並ぶ。休憩が適度に入ってくれているおかげで、体調良く見ることができた。非常に親切で良心 的な紹介を受けている感じ。部屋で御託を延々と聞かされている図とは大きく異なる。アニメーションフェスティバルそのもの自体が、大きな映像作品のように 構成され、導線が引かれていることを思う。
休憩が中断にならない印象は、力量が問われるところであろう。
おかげで、個々のアニメーションが持つテンポだけを気にすることができた。

アニメーションを大量に見ていくと、自分自身の興味対象を見ることにもなった。
自分が、執拗にテンポやリズムを気にしていることを自覚する。
第三部の東京芸術大学映像美術部「TACOROOM」は、特集プログラムだったので、各作品の間をタイトル表示で仕切ることなく、ぶっ続けで流れるように なっていた。それは効果的で、小気味良いテンポを起こす。だが当たり前だけども、同時に総体としてミックスして判断し味わうことになってしまう。
ワインのテイスティングで、舌に残ったワインを無くす為にある食パンを、口にするかしないかの違い。東京芸大産のワインはがぶ飲み状態。甘いという大きな感想。
日の目を見ないかもしれないくらい、地味かもしれないけれど、深い味わいのするワインも棚には置いてある。
残酷性や、目新しさの要素などは、本質的な問題ではない。
紹介者としての公共性部分と、作家の公共性を吐き違えると面倒だぜと後で思う。
友人が多くお手伝いしていたり、出品していることに甘えて、レストランでの打ち上げやその後の飲み会にもまみれ遊ばせてもらい、友人宅にあがりこんだとき にはテレビに再度プログラムを全上映し、吉田氏らと解説や感想を話しながら。まさしく、DVD の別音チャンネル、生コメンタリー状態に。

これだけの量のアニメーションを、集めるということと、プログラム構成するということ、それと多くまとわりついてくる手面倒な雑作業等。その苦楽を思いつつ、楽しい鑑賞の機会に感謝感激する次第であった。

社会のなかで、喜びのかたちをはっきり自明できる人が、希望であると思った。

http://www.alt-media.org