水曜日, 8月 09, 2006

広場に集まる

正午に市内の中心広場「マルクトプラッツ」に集まって、観光ツアー。ベレーナにマレーナ、イナにマルグリットが案内してくれた。英雄ローランド像に、ブレーメンの音楽隊の像、教会を回る。遥か昔に、魔女狩りのように攻撃対象となっていた女性の顔の像が、いまは形骸化して地面にプレートとしてあると、イナが説明してくれたのだが、それを探しあてると、なんといまも唾をかけられている。根深い歴史を目のあたりにしておののく。ローランド像にしたって、死ぬまで働いたという貧困の民衆を踏み潰す状態になっているし、歴史の憎悪を隠蔽せずに保持していくのは欧州の姿勢なのか。日本はできるだけ良いものだけを残そうとするように思う。反省しているとかではなくて表層的なかたちの違い。帰国してから、亘さんとこれを話して明確になる。

人が行き交う広場では、何かの催しものと、誰かがバイオリンを弾いていた。絵葉書のなかを泳ぐように歩き、近代的なデパートの屋上で休憩をとる。屋上はビーチサイドが作られていて砂が敷き詰められ、海の家があった。その豪快なアイディアに吹き出す。イナと作品の話をする。彼女のアイディアは実現不能な様子。そういえば展覧会の為のメイン会場が確保されていないのだった。
藤井さんに電話をしようとするが、国際電話がうまく繋がらず断念する。帰宅してから地図を広げ、位置関係を把握しようと入念に調べる。頭が割れそうなほど苦しんでも分からず悔しさでいっぱいになるが、これを一人留学組は洗礼として受けたのだろうなと認識する。そのうちにすんなり理解できるようになった。何をムキになっていたのだろう。