木曜日, 8月 03, 2006

有り難しの日

抜糸は一瞬で終わった。ぱんだ歯科の待合室で、鉛筆の歴史が書いてある雑誌を必死になって見た。ドイツに飛んで、bnap06 "site scenes" の展覧会に制作と発表をする作品は、この鉛筆を軸にしたものになりそうなのだ。雑誌の文献元に晶文社の書名が記されていたのでそれを覚える。出発までに買 うことができたら良いが、ちと難しいかな。
偶然にも夜のバイト先で歯医者の先生に会う。遅い時間まで大変だなと思った。気をつけてねと言われお礼を返す。なんとも有り難い限りだった。
今日はそんな有り難いことがたくさんあった。bnap06 の会議で決めたドイツへの全体でのお土産を買いに、味噌蔵オーナーのお店「かねせい」に行き、お酒を包んでもらう。また、荷造りをしていたら忘れ物に気付 き、おさや糸店まで走り、同時に別件仕事の話も聞いて進行させてもらった。
それから、現像に出しておいた写真があがってきたのでドラッグストアへそれを取りに行って、同時にトイレットペーパーを買ったりした。帰りは店内でかかっていた「ヘルスバンク」のテーマを口ずさむ。
大どんでん返しの如き、振り出しに戻る現地での展覧会準備状況などもブレーメンより連絡されてきたが、もう慌てても何も無いのだ。向こうに行って、充分に動けるように道具や仕立てをするしかない。そもそもそこが今回の醍醐味でもあるはず。

気持ちを収めるようにシャワーを浴びた。今夜のバイトで定例仕事はひとまず終了。長期のお休みを頂く。翌朝の午前中のみ臨時バイトがあるので早く起きね ば。バイト先に置かせてもらった貯金箱を崩した。半年くらい小銭を入れてもらっていて、時々僕自身も勢いで五百円玉を放り込んだりしていた貯金箱だ。ハン マーで叩き割ると、なんと一万七千円も貯まっているではないか。五百円貯金恐るべし。日々の小さな我慢がここになって返ってきた。この設置を提案してくれ た社員の方と、小銭を入れてくれた皆様に感謝。出発間近になって個人的に助成して頂く。
ああ、有り難し。部屋にはおほしさまが浮いている。シャワーから出て、僕らの額縁に目が行った。将来、書斎を持つなんてときが来たら、僕はこれらの額縁をかけていくだろう。