「常滑フィールド・トリップ2010」鑑賞。もはや毎年恒例となっている企画展だ。海沿いに広がる常滑の工房と階段の多い町並みにアート作品を展示していくもの。この地域には陶芸というものづくりのポテンシャルは既に高くある。
下村邸という民家に住む地元のお爺さんに作家二名 片山一葉さんと近藤まどかさん で密着して出来た作品と、小さな文房具店に眠っていた商品たちとオリジナル文具を組み合わせて店舗営業をする「わかば文具店」なる企画が面白かった。
前者の下村邸の作品では、生業としていた「競艇」が自然と取りあげられていた。「競艇」は常滑地域が観光としてはあまり強くは押し出していない要素なのだけれど、地元の住民には自然な存在としてあるという当たり前のことを照射する。とても飾らない内容なのが良かった。
「わかば文具店」は若い女性作家、デザイナーらがチームを組むことで活力を起こしている。古ぼけた商店に置いてある文具やシールは、そのままで充分に愛らしい。その感動を作家側から伝える為に、お店の店主、地元の方々と充実した時間を経なければこういった成果は得られないであろう。
http://www.tokoname-fieldtrip.jp/2010/index.html