木曜日, 3月 06, 2008

正義の規則を押しつけると脱北者を生むだけだから、なんとか机を合わせて下さい。

昨晩の遅くに NHK ドキュメント日本を見た。香川の高校生徒会が学校にケータイを持ってきていいという規則を成立させようと奮闘するという内容だった。部活動で帰りが遅く なったりしたとき、親に連絡がとれないなどの理由を挙げて学校の全体会議に挑んでいく。この高校には 教師、保護者、生徒らが一同に介して行うという全体会議というものがあって旧来の規則を見直していくという面白い取り組みをしている。
僕が高校の頃はケータイはまだ普及していなくて、ポケベル全盛時期だった。いまの高校生には必須アイテムだろう。ネットもパソコンではなくケータイで見るのが "フツー" だとも聞く。
校内アンケートで、隠れて持ち込んでいるのがほとんどという現実が浮き彫りになる。このデータを提示するべきかどうかを生徒会は悩む。不信感を煽るだけではないかと。
これに対して男子生徒が言う 「正直に向かわないと、会議自体の意味が無くなると思うから、データを出すべきだと思います」。

よくある青春像だけではなく、これは難しい問題を扱っている。
学校指定の鞄を持つことを無くして色や形の規則をつくったが、それで全てが自由になったと捉えられ、派手な鞄を持ち込む生徒が出てきているように、罰則が 無ければ規則が有効に働かない現実。ケータイが持ち込めたらいいなという純粋な希望と、持ち込むことで起こってくるであろうあらゆる問題。ケータイの中は 覗けないから、教室に居ながらにして誰もいなくなるかもしれない。
だけれども、現にケータイは隠れて持ち込まれているのだから 「見て見ぬふりはできない」という生徒会長の発言が核を掴んでいた。

考えることも感じることも違う人間たちが、ひとつの教室で顔を合わせて毎日やっていくというのはたいへんなことだ。それは会社でも同じで、井戸端会議の公園でもきっとそうだ。
生徒会室に行けば 規則破りはけしからんと思い、校舎裏に行けばちょっとくらい煙草ふかそうと思う。そんなところは誰にでもある。

http://www.nhk.or.jp/nippon-genba/200802.html#0228