久しぶりの雨が一日中降っていて、そこへ向かう私の傘と、屋根の下でお茶を飲む私たちにはずっと雨音が耳に降っていたことになった。
でもそれはとても小さくてわずかな音だったので、黒目の奥にある黒い点を見つけることができた。
夜道を照らす車はスライド式に走った。
雨音に混じりながら猫の話を続けた。
靴下で珈琲をこぼしてしまった。
財布に付いている鈴が鳴っているのを聴いていた。
宇多田ヒカルが流れていた。
町を横切って、私たちは帰る。
http://www.youtube.com/watch?v=qyy8booDXqw&feature=related