土曜日, 10月 29, 2011

線跡のために

名古屋市の本郷にある、アーティストらの自主運営ギャラリー「GALLERY GOHON」での企画展に出品参加する。
企画者は、絵描きの茶谷麻里さん GOHON のメンバーだ。出品者は、外部の作家が二名、文谷由佳里さんと、私、村田。そして GOHON メンバーから、永田浩子さん。文谷さんと永田さんはギャラリーの一階で、向かい合うかたちで展示され、自分は二階の一室に入った。
展覧会名は「線跡 senseki」。茶谷さんによる造語である。
文谷さんは開廊する連日、壁面に広く貼った紙へ、大きくペンで絵を描いていく。線は広がる。自分でも思っても見ない描き方やその重なりに出会いたがっているような感触がした。
永田さんはキャンバス上に囁かに筆を重ねた画面。爽やかなブルーやグリーン。画面に少し開けたキャンバス地と、筆は細いものか、太いものをゆっくり付けて細く当てているのか。
階段を上ると、部屋は真っ暗である。小さなスピーカーから男の声。聴こえにくいのは、声量だけではなく、ずっと動いているスライプロジェクターのファン音のせいだ。
スライドプロジェクターは時折、光を出す。光は壁に貼られた紙と同じ大きさの四角形をしている。四角形のなかに手書き文字が一行、白抜きで見える。読んだらすぐ、ガチャとスライドが回転する。また異なる行。次は暗転。そしてまた別の行が。紙は木炭紙である。木炭による文字は、かき消されていて、とても読めない。白抜きの、すなわち光の行は、その紙のなかにあった行。
タイトルは「線跡のために」という。村田の作品。
アーティストトークとオープニングパーティーのある今夜は、その前に少しだけの時間、展示室で木炭紙に向かった。
GOHON メンバーの方々がその模様をビデオ撮影してくれた。

http://gallerygohon.jp/f3-exhibition-vol.20.html
http://jinmurata.jpn.org/301/101/sensekinotameni.html