火曜日, 12月 20, 2011

歩きながら話していた先

越してきたこの町で、嬉しいことはいろいろある。レンタルビデオ屋の品揃えが良いのはそのひとつだ。邦画の旧作をチェックしに行く。
「の・ようなもの」(監督, 森田芳光 / 秋吉久美子、伊藤克信 / 1986) を借りて来て、早速見る。

強烈な何かをしたいってのを、表に出せるのはそれだけで才能なんだろうなぁ。彼も、彼女も、言葉にすることだけで一苦労。そんな手間を語っている映画は なかなか無い。格好良い奴はそんなことに苦労しないの。格好良さそうに映る彼女もそうなのだ。
みんな、これが青春か、これが恋なのか、人生の何なのかなど捉えられずに居てもがいているものだ。だから まどろっこしいし、そのために動く時間が要る。
「男なんて、放っておけば失恋の痛みも癒えて働き出すさ」と、お師匠さんが言い放っていくのは、本当にそうで、そんなものを許してくれる仲間があったんだろう。それは幸せな場所だった。
いきなりラストシーンを YouTube で見る罪を許し給え。
尾藤イサオの歌うエンディングが良い。そしてここへ至るまでの「道中付け」が、僕には感動的なのだ。
ここは、彼が自分を捉える時間だから。

http://www.youtube.com/watch?v=9BauFOL4M5Q