土曜日, 9月 16, 2006

だきしめたい

デニスと遊んだ。音楽を共有した。世界のサカモト、YMO をあげるときに「このアルバムのタイトルは何という意味?」と聞かれて「浮気なぼくら」という展開が凄かった。もう笑ってしまった。彼はとてもいい奴で、僕らは通り沿いで握手をして別れた。
彼がくれたたくさんの音楽は、iPod に入れてある。

マレーナを囲んで食事をし、それからロンリープラネットというクラブへ行く。クラブと言ってもターンテーブルがあって音楽が大きいだけのバーという感じで、充分にゆっくり座って話すことができる。そこにみんなが集まってきて、ラストシーンとなった。
僕はゾンヤと話をし、自己紹介遊びをした。ビエーテは実に元気で、目が力強かった。クリスチャン・シュッパンは、クラブのある二階の窓から路上の人々を眺めていた。
「ここからなら、誰もが愛おしく見える」
そう彼は言い、下に降りてしまえば誰もが愚かで憎悪の対象になると続けた。それはすぐに了解できたから、僕もここから路上の人々を愛するようにした。黒人たちがたむろしているのと、トラムバスの中に座る乗客が見てとれた。向かいのケバブ屋に客が列を作っていた。

僕らはハグをして別れた。バスは定刻通りに行き先へ向かう。
帰ってから、部屋の大きなベッドで横になって手帳に詩のようなものを書いた。


飼い殺しだ
そんなめにあっても
私は私達という言葉を
使いたがる
森の中、
森の外、
町に戻るとき
私達はたくさんのものを落とした
それは何であるか
夢を今夜は見ない
今夜は気持ちの中で
過ごす
今夜は滞った
光の排気管を
下るよう

姿はもうない
何も覚えていない
君の目が姿を
戻してくれる
夢の中に
誰もが今夜を
喜んでいるのを
知った
待ちきれない全て
また戻るわけにはいかない
この夜を超えて
私達は小さなドアを
開ける
その先にはゆるやかで
とめどなく溢れている
泉がある
はやくあいたい
はやくあって
だきしめたい
ほほをあわせて
口づけをする
声は待っている
声を待っている
もう旅立つ頃だ
最後の最後で
じゃない
愛するということは
信じる術
その術には
傷ついてもいいと書いてある