月曜日, 1月 25, 2010

美大のときからの親友へ、彼は声を吹き込み続けていた

映像編集の手伝いを連発で強行。iMovie は '08 と '09 でかなりやれることが違うのを知った。'09 のほうがいい。iLife はどれも良くなっているのだろう。

帰宅しても映像漬けだ。「悪魔とダニエル・ジョンストン」(監督, ジェフ・フォイヤージーク/2005)を見る。
若き哲学者に薦めてもらったのだが、これは傑作。
アメリカのシンガーソングライター、ダニエル・ジョンストンの半生を丁寧に綴ったものだが、テープ音源や、ライヴ映像、スタジオレコーディング、関係者インタビューなどの要点を 抜群に引き出すことのできるタイミングで繋げてくる。監督自身がダニエルのファンなのであるが、興奮に偏ることなく、何が面白いところなのかをうまく話すことができている。そんなことは当たり前のようでいてなかなか成し得ることができない。ミュージシャンやアーティストのドキュメント映画にはつきものだ。
そしてダニエル・ジョンストンの狂気と天才性ばかりを描いているようで、実は家族や仕事を通してのつながりを追っているところが良かった。天才は周囲に迷惑をかける。そんな日々の生活感から、失ったものとそれでも守りぬいているものが 語られていた。
どんなにジャンキーや躁鬱に狂って入退院を繰り返しても、彼が帰る家には、小言は多いだろうけれど音楽や絵を描く環境があった。個を重視するアメリカだと思うと同時に、その家族を繋げているキリスト教の存在がある。その信心への傾倒がまたダニエルを霊的世界に持っていってしまうのが皮肉めいて見えた。
この環境があってこそのダニエルの歌世界だった。
宅録で、ひきこもりで、思い続けている。
美大のときからの親友へ、彼は声を吹き込み続けていた。

iMac はおむすびのかたちをしていて、iPod は白黒だったね。iLife はまだ呼ばれていなかったけど、どうだったかな。

http://www.tornadofilm.jp/movies/akuma-daniel/