金曜日, 11月 02, 2007

やっぱり心の旅だよ

古書 5っ葉文庫 で以前に購入した「やっぱり心の旅だよ」(著,/福満しげゆき/青林工藝舎/2007)が悲哀に満ちていていい。
帯に「しかし人生は続く・・・。(中略)失敗エロ まんが道。」と大きくあって、読後は本当にそんな気持ちになる。
コンビニなどで売っている所謂エロ漫画雑誌に掲載されていた短編をまとめたものだが、はたして読者のニーズにこれらは答えられていたのだろうか。おそら く、一部の層だけに親しまれていたはず。アクセル全開で興奮を高めていくという一般的な性の語り方ではなく、ゆっくりじっくりねちっこく、自らの愚かさも 情けなさも露呈していく性だ。
書名と同題「やっぱり心の旅だよ」がいい。魅せる場面は性描写ではないが、動きの細部でグッとこさせるのは性描写と同じ語り口である。

おじさんと少年は手を組み、娘や愛人、愛しの君のもとへ向かう。
そこに たゆたうのが心の旅なのかなぁ。

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