木曜日, 11月 08, 2007

さよならみどりちゃん

「さよならみどりちゃん」(監督, 古厩智之/原作, 南Q太/星野真里、西島秀俊/2005)を見ていて、「あー」と言う。タクシーが走り去ったあとの地続きの先で、抱いたり惚れたりのすったもんだが地続き で、僕らはコンビニとか行き交っているんだなと思って「あー」。
何をしてんだろというのは他人事だと思えるね。でも彼女も彼も、切実なところでうごめいてるんだな。この撮り方は好きだわ。ぺろっとした下着や、狭苦しい ベランダの感じ。男の背中。チャリチャリ言うベルトとズボン。丁寧に折り畳んで、煙草も姑息にも忘れない。場末のスナックから、陽を受けるシーツまで走っ た。ヒールがペチペチ鳴って いやになる。ムキになる。絹目の写真のようにざらざらした空気で撮られている。どうしようもない彼女たちに、もっとどうしようもない彼ら。それは誰でもな い自分と同じ。アスファルトは夜遅いほど固くなり、人を拒む。
だからもう最後だから歌って。君がたおれることなんてない。男が何か決めてるかどうかなんて、些細なことでしかないよ。だからそうばんざいして終わろう。

http://actcine.com/midorichan/