川沿いの温泉へ友人らと行き、湯に浸かりながらだべる。
日本に五年ぶりのG氏は、最近の言葉遣いをすぐ嗅ぎ取っていて「普通に〜」を自然と使っていた。
それを話すと、無意識に用いている最近のこれは可笑しいとすぐ笑いになる。実際、五年前にはそこまで「普通に〜」は使っていなかったはず。普通に美味しいとか、普通に面白いとか、普通に感動したとか。最近の「普通に〜」は、抵抗感の無い自然な好感触という意味であると思う。
女性へ普通に可愛いねと言ったら、むすっとされたと友人は言った。
受け方はケースバイケースである。普通であることが奇跡だと価値を見ている時代だとも言える。没落することなく普通は立派だという気持ちだ。
日本語の乱れだと目くじら立てるわけじゃなく、言葉遣いに見える気持ちの動きが面白い。それから風呂上がりの後も皆でわざと「普通に〜」を連呼した。