土曜日, 6月 14, 2008

本当のカメラ

照れ隠しで暴走する若い先生と十の瞳。一人は娑婆に片足を突っ込んだ気持ちで、もうこんな雑居ビルには来たくないんだと考えている。しかしそれがいまの自分にある現実である。
「デジカメの特性は何ですか?」
「撮ったらすぐに見れる」
「家でプリントできる」
「フィルムカメラの特性は何ですか?」
「35mm はもう少ない」
「家でプリントは難しい」
・・・「本当のカメラ」。

予備校生たちの間を歩く。彼や彼女がいま学んでいるものを疑うことがあっても、その教科書を捨てることはない。一度預かってくれる家があるときに、その疑いに向き合えればいい。