月曜日, 12月 29, 2008

ブロークンイングリッシュ

伏見のミリオン座にて「ブロークンイングリッシュ」(監督, ゾエ・カサヴェテス/パーカー・ポージー、メルヴィル・プポー/2008)を見た。
日本の配給会社は恋愛映画だとパッケージングしているが、実際にはどこにも分類できない不可思議なシーンが多い「体験的な」映画に思えた。実際にあったことをそのまま持ってきているように感じられることから「体験的」と呼ぶ。恋に燃える勢いを全てとして本筋が進むのではなく、全く関係の無いような出来事も総体となって前進していく。実際の人生とはそんなノイズの中から「これっ!」という瞬間に辿り着くようなものであると思えた。
タイトルの「ブロークンイングリッシュ」は、「私の英語が壊れている」で、実に英語的な考え方の言葉だ。思っていることなどは既に自分の中で言葉になっている。しかしそれを英語として外に出すことができない。日本語的な言い方だと「言葉にできない」となるだろう。自分の英語を通して現すことのできる領域を超えている体験を指している。
キスとかパリとか嘘とか、人の数だけ体験があるという達観が流れているように思えた。

http://broken-english.jp
http://www.brokenenglishfilm.com