八月以来の金沢へ。
よりによっての大雪で、東名高速が止まったのでバスではなく電車で向かう。JR 名古屋駅は吹雪。特急しらさぎ号の到着が遅れていた。ホーム端の立ち食い蕎麦屋で朝食。向かいのホームで三脚を立てた男達もしらさぎ号を待っていた。今日一日ここで粘れば、良い画は撮れるだろう。出発する僕らの顔など撮りはしない。僕らの顔は僕ら自身で撮ろう。ひととおりの近況を話し、雪のなかをしらさぎは走って行く。
福井から石川は積雪が多かった。
金沢の町は路面に付けられた除雪用の噴射水もあって、池がそこらじゅうに出来ていた。
靴はすぐにずぶ濡れだ。
21世紀美術館のニットカフェで、広瀬光治さんの「歌とニット〜トーク&ミニコンサート」を見る。話しと歌は交互に、互いを呼んでいて 気持ちは穏やかになっていく。
オラファー・エリアソン「あなたが出会うとき」から感覚を揺さぶられる。色相で満たされた部屋に入るとき、向こうにいる人が色のなかに消えていく。それを追う自分もまた消えていく人で、赤色にいるときに赤色を見ているわけではなく、見ているもには反対色である。色は視覚に位置しながら周辺感覚に領域を伸ばしていることを思った。
夏以来の金沢はお世話になった方々との再会もでき、短い時間でも意識を立ち上がらせることになった。
あらゆる行為が編み込み合う。雪道の土壌には夏のことがある。
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