土曜日, 12月 26, 2009

視界に入りきらない大きな四角

東京都現代美術館で レベッカ・ホルン展「静かな叛乱 鴉と鯨の対話」鑑賞。
自動機械を用いた立体、映像、パフォーマンス、全てが真摯な詩心に溢れていて強い。文明批評と人間観察、自身への冷ややかな視点と、貶めることも奢ることもない自意識。
その一筋が自然に通った感触は、全く他の作家や他の展示の作品の印象を薄めるほどだった。
エントランスにあった井上雄彦の企画展示は漫画として面白いけど、美術作品の深みという要素は低い。漫画家の仕事だからそれでいいのかもしれないが。
こうした異なる作家の仕事を見比べることによって、構造の本質が見えてくる。

恵比寿の magical, ARTROOM にて「WORM HOLE episode12」なる企画展を見る。これには bnap05-06 へ共に参加していた西山弘洋氏が出している。昨夜も共にお邪魔していた。氏の作品は四角のキャンバスだけでなくクラフト紙の切れ端や、木っ端などにも絵を描き、壁面上で複数作品によって構成展示したもの。四角のほうが まとまった印象に見えるものだから、一部屋のなかに他の作家の四角い作品が多いと、どうも氏の展示が荒れたように見えてしまう気がした。本当はとても穏やかな選択を持っていると思うので、余計に思う。
木々の間を飛び交う描線の速度は 遅いのか速いのか、どうとでも見える。
あらゆる解釈は委ねられた。視界に入りきらない大きな四角を感じられるかだ。

焚き火に当たっていた24時間後には、名古屋へ戻る。新幹線の時間まで、皆で食事。渋谷に丸太小屋食堂なる店を発見。温かい感じで良かった。

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/107/
http://www.rebecca-horn.de/index.html
http://www.magical-artroom.com/exhibitions/12wormhole/index.php
http://hirominishiyama.com