水曜日, 7月 18, 2007

家に帰れ

この建物は残り三分で爆発しますと警告が流れても、なんとか脱出できるのが SFものの常で、そのように、どんな山奥からも帰ってきた。バスは四十分後に来ると書いてある。コンクリのブロックに腰掛けて、自動車の排気ガスをまともにくらう低さに顔をやり、呆れ果てていた。バスが迎えに来てくれて、今日は打ち止めだ。いつか帰れなくなるときがあるのかと想像しても、車両に乗り込んでしまうと後は何も見えない。建物も過ぎ行く風景に過ぎなくなる。落下するコロニーは宇宙の塵と化す。乗組員全員が脱出できた。有害な未知の生命体をコロニーごと吹き飛ばすことができた。そんな設定で、今日もやれたわけか。山奥から山奥へ、なんとか家に着く。嫌いな番組は「田舎に泊まろう」(テレビ東京/2003-)。仕込みか何か知らないが、田舎でも息倒れはあるぜ。「田舎に泊まろうとしてのたれ死のう」とか「漫喫に泊まろう」という肉迫したドキュメントが見たい。芸能人が田舎から去るとき、コロニーは落ちた。ロケバスは現実に帰る。帰る先には、ロリヲタやチーマーや援交ギャルや天下り官僚が生き延びている。とても元気だ。顔が青白い。田舎こそ閉鎖的。わざわざ田舎に泊まりに行くな。家に帰れ。家に。