テロなんて忘れたい。
そして怒りや悲しみはどうやって伝えたらいいのかと悩む。
嬉しいことは笑って返す。申し訳ないことは頭を下げる。
身勝手なことや、見下すようなことには、悲しくなる。
何よりも自分に返ってくることを、忘れかけている。
テロなんて忘れたい。
アートもメイドもみんな優しくあるためにあるんさ。
楽しい思いをみんなしたい。
一日中、町中をパーティで歩き回って、そんなことを再確認する夜明けに辿り着いた。
歯磨きをしながら、自転車をこいでいく彼女を見ていた。
いまや返り血と乾杯だけが取りあげられている。
静かになると騒ぎたくなり、騒ぐと静かになりたい、そんな心境だけでやっているこの自称イカれたパーティ。いかほどかと尋ねると、どうなんだろう。どうっ てことないと返すとラクだな。それはそれほどくらい返ってくるだけ、か。本当はテロもただのネタなんだから、ちゃんと忘れて、本当に怖いものを思い出そ う。