多くの人が私に向かって話しかけてくる。
私は蝶の夢を見ていた。
いつもは忘れるのに。
「潜水服は蝶の夢を見る」(監督, ジュリアン・シュナーベル/マチュー・アマルリック、エマニュエル・セリエ、マリ=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー/2007)を DVDで一人鑑賞。
閉じ込め症候群(ロックトイン・シンドローム)になってしまった男の話。
主人公の目となった画面がいい。
その光の具合、ピントとボケ、何気ない動きに、その人への認識の本質があらわれてくる。
多くの人が私に向かって話しかけてくることで、私は私を捉えることができていた。
現実の画面も、想像と記憶による夢の画面も、その差異が深い。
言語療法士は美人で、言葉を記したのは目だ。
映画化にあたり、仏語のオリジナルを英語にする案もあったそうだが、仏語で良かったと思う。先日テレビでやっていた発明家 加藤源重さんも、首の動きだけで言葉をタイプすることができる自助具を作っていた。日本語ではタイプ数が多くなるだろう。
もっと沈んでしまうかもしれない。
閉じ込められた視点と、飛び越える色彩との幅が違うはずだ。
可視できないものを絵に描くということに関して、密接に関わってくる映画だと思う。
http://chou-no-yume.com