土曜日, 10月 04, 2008

やり直したい

「トウキョウソナタ」(監督,黒沢清/香川照之、小泉今日子、井之脇海、小柳友、役所広司/2008)と「アキレスと亀」(監督,北野武/北野武、樋口可 南子、柳優怜、麻生久美子/2008)を続けて映画館で見た。終わった頃には四時。嫌な疲労感は無く、不思議な達成感があった。
一色担に語ることは間違っていると言われるが、今夜の映画体験は繋がっていて、それはそっくりそのまま自分に向かってきていた。
「トウキョウソナタ」は丁寧に綴られ織られた美。「アキレスと亀」は絵の具をぶつけた美だった。なんてそのままの感想だが、どちらにもその実直さに涙した。
最後の最後で人は残念な存在にも、貴重な存在にもなる。その紙一重を見る。
「アキレスと亀」の後半では、ずっと笑い泣きに近く、荒っぽい乱雑なプロットの映画なのだけれど、居た堪れない気持ちになってしまう。麻生久美子、樋口可南子と奇麗だ。たけしは覚悟を魅せる。謎掛けは止まぬ。
「トウキョウソナタ」は啓示的な言葉の独白が、カッチリとした構図で映し出される。ゴダールを思い出す。急に映画であることに満ち足りてくる。海岸、小泉今日子が光る。役所広司は狂気で、香川照之は切ない。
終映後、僕たちはそれぞれの車に乗って、二時間ばかしの睡眠時間のために走り出した。

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