日曜日, 10月 07, 2007

そして彼女は歩き出した

「一冊の本が、一人の人生を変えてしまうことがある」
山奥の仕立て屋、爺は告げる。
男ふたりはそれを本当に理解はしていない。「彼女を無知から救いだすんだ」と言って、乾杯をした。二十七年後、ビデオカメラからケーブルをテレビの外部入 力に刺して、ワインを飲みながら、男ふたりはそれを見返す。ものがあふれた町は、電力の為に山奥の村をダムに沈めることを決めたという。小さな乾杯にグラ スがチンと響く。これでよかったのか。男ふたりを残して、彼女は歩き出した。どんな感じの女性ですか?「小さなお針子」と免税店の店員に返す男。彼女はど こにもいない。彼女を愛していた。俺と彼とでは違ったけれど。本当に愛していた。彼女ほど人生に向き合えただろうか。俺たちは。

「小さな中国のお針子」(監督, ダイ・シージエ/ジョウ・シュン、リィウ・イエ、チュン・コン/2002)を見た。

http://www.albatros-film.com/movie/ohariko/