土曜日, 10月 13, 2007

写真展と現像仕事

地下鉄藤が丘駅からリニモに乗り換え、ひと駅で降りる。少し使用感が出てきて汚れている改札周辺の床を眺める。万博から二年だ。モリゾー、キッコロがまた森から下りてきているようなのが懸念される。
駅から徒歩で長久手文化の家へ、写真家 今井紀彰「長久手現幻曼荼羅展」を見に。
写真をカッティングしてコラージュ構成された画面は、写真の物質感を伝えてくる。プリントされた写真の断面は鋭い。強い色と相まってテカり、イメージを鮮 明にさせた。これら様々な土地の写真による曼荼羅は、相まって迫ってくる連続。オーストラリアの砂漠と空、太陽が熱いだろう。人のポーズが配置される周囲 を、土地は無限に続く。長久手も類に漏れず、パワースポットのようだ。子供たちのワークショップも、みんな手作りの写真だった。
そこに写った笑顔を見つめて、またリニモに乗った。
今度は、藤が丘駅から歩いて ギャラリー直指天へ行く。写真家 内藤祐子「まぶたに謡う」を見る。DMの写真がいちばん凝縮したイメージで良かった。仮面を付けた人々は、作り込み過ぎていると妙な趣味性だけが誇示され る印象を受ける。どこか素の部分があると逆に生々しくてギョッとする。過去作と同時に、日記をスキャンして半紙に印刷したシリーズが面白かった。言葉が途 中から手書きから、活字になっていたので、どうしてですか? と訊ねたら、ネット日記にパソコンで書いたものだからということ。言葉の、素のありようだとハッとした。なんて自分は姑息に意図的な上っ面で操作しようと しているのか。

帰り、藤が丘から名古屋駅に向かう地下鉄車内にて、現代美術病と現代詩病患者には、素のありようを見つめ直すことが急務だなと考えた。
晩は、現像仕事を見ていた。

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