原付の君よ
コーヒーの君よ
水を手放さぬ君よ
カフェオレの君よ
ベレー帽の君よ
詩を読む君よ
ジーパンの君よ
僕はトランクス一枚で眠って、鼻水をたらすよ
中村中の歌はいいよ
愛しいという言葉を使わずに愛しいことを伝えてくれる
僕には語りたいことと、
語るべきことがきっと同じだという疑念が信心のように擬態化して、
ここまでこうなって来ている
そんな丸腰なのだから
走って行く君に顔をよせれば
どうしてかすぐに眠ることができた
ガスパン遊びなんてするんじゃないよ
子供たち
くそガキたちよ
僕もおじさんらに言わせればくそガキだから
ピストルの試し撃ちなんてバラエティーでやるなよ
僕は朝を待つ
乗り過ごすことを理由に
詩人ですと名乗りをあげる
君よ
ここからまだ長いと知っていても
楽しいも哀しいもないか
わからない
わからない
知らないわけではなく
わからないほうが
問題なんだよ
知らないことは何でもないことだ
なくものは、なく
それは許されるとかそうじゃないかとかじゃない
言葉で超えるべきものは、言葉そのものなんだ
君よ
猫のことを思っておくれ
眠りのなかを思っておくれ
僕らが見ているものを思っておくれ
一日のはじまりは、子供のようで
一日の終わりには、老人のようで*
(*Three Blind Moose「一日の終わりに」)。