土曜日, 1月 26, 2008

Don't laugh at my romance.

幻想ではなく、切なさにくれる美大がそこにはあった。随所に出会ったことのある何かと同じものが息づいていた。
「人のセックスを笑うな」(監督,井口奈己/原作,山崎ナオコーラ/松山ケンイチ、永作博美、蒼井優、あがた森魚/2008)である。
「ただ19歳の僕にこんなロマンスは無かった」と書けばいかにもで収まりが良いけれど、自分自身のロマンスも笑ってはいけないという気持ちになる。そんな映画だ。みんなとても素敵だ。これはかつてといまの誰かだ。

大須界隈を歩き、上前津側のギャラリーフィナルテで 折本立身のドキュメント展を見る。折本さんに少し話を伺うことができて嬉しかった。日本でいま何が元気があるかいつも探しているというアンテナは鋭く力強 い。各国メディアで紹介されている「アートママ」は優しくこちらを見ている。名古屋芸大で二年前の芸祭のときに行われた個展でのボクシングパフォーマン ス、ゴールデンバンコクで踊った即興など最高にパワフルだった。

後ろ髪を引かれる思いで今度は大須の西側へ歩いて、アートフェチへ。伊藤正人氏の個展「 Royal Blue Mountain -sight hearing-」の 朗読に立ち会う。四方の壁面に書かれた文字の列は山の青に見立てられ、町を覆う影のようでもある。その真ん中に置いた丸椅子に座って、氏は文章を抜粋して 読んだ。言葉の限界性を見据えようという姿勢が声によって浮かべられるようだった。

たとえ言葉が信じられなくても、切り開いていくものは言葉によってであるし、言葉にならないと笑ってみせても、おどけてみせるのも言葉によってであると考えた。
だから言葉にして言っていかなくてははじまらないと思う。
頭にきたなら「人のセックスを笑うな」でいい。

http://www.hitoseku.com/

http://www.finarte.net/

http://www.technogallery.com/tatsumi-orimoto/index00.htm

http://artfeti.main.jp/EXHIBITION.html#next01