日曜日, 6月 07, 2009

生の話

昨晩より卓上の話があふれ
バルサミコ酢も口からあふれる
グレープフルーツを酢に漬けたと彼女は読んでいた
ビールからワインへと、スペインには行ったことがない
ピカソのゲルニカを生で見たい
卓上に上がれば生になると思う
そのためには生で見て来なければいけない
シーズンオフの旅券を取って
一枚の油絵を見に行く
高校の図書館に通う
返していないのは読んでいないことだった

金沢21世紀美術館 にて、森村泰昌&中ザワヒデキ スペシャル対談「美術についての100の物語」を聞く。
紛失しても消えない。
伝承すれば消えない。
卓上に上がれば生だから
僕の生は、肉声と鉛筆で筆記した文字による言葉。ここから向こうへ、向こうからこちらへ歩き回る詩が誰かに迫り、離れて行く。
僕たちはその間にだけ話す。
そして持ち帰ってきた言葉を置いて
生をすするのだ。