金曜日, 9月 11, 2009

花・風景

乗り遅れると、パアになるという条件なので安いという宿付き新幹線チケットを見つけ、九州へ行くことにした。
昨夜は遠足前の興奮で眠れず、三時間程度の睡眠の後に乗り込む。車内で寝ているうちに着く。実感は無いが、福岡駅だ。そのまま乗り換えて熊本へ移動。熊本駅からは路面電車に乗るので、そこで一気に違う町へ来たという感じがした。だいぶ前には岐阜にもあった。まちなかの雰囲気が出て好きだなぁ。
熊本市現代美術館の前で降りて、「花・風景」展を見る。
モネと現代日本のアーティストたちが副題に付いている展覧会で、花をモチーフにした現代美術作家が三名出ている。大巻伸嗣のインスタレーション。蜷川実花の写真作品。名知聡子の絵画だ。個人的にはもっと混ぜた展示でも面白いんじゃないかなと思ったけど、ひとつひとつをじっくり見ることはできた。名知さんの絵は、愚直な思いが真正面にある。そこを引き止めたら何にもならないじゃんと言われているよう。
美術館に併設されている図書館にはタレル作品や、草間弥生作品が常設してあって充実していて面白い。横尾忠則展もここでやってたのを知る。

アーケード街をぶらぶらしたのちに「夏目漱石内坪井旧居」へ行く。住宅地のなかにあって、入ると、近くの中学校の武道場からの活気が聞こえてくる。家屋はほぼそのままで穏やかな空気が流れている。解説パネルが並べられていて、写真撮影可になっている。お客さんは皆デジカメで撮っていた。製造四枚目の夏目漱石千円札とか、骨格から作った漱石の声をラジカセのテープで聞いたりとか、はては実物大(?)のからくり人形まで!お茶目なものも展示されている。漱石先生が執筆していたと思しき部屋に、現行刊の「坊ちゃん」らが並んでいるのも感慨深い。漱石は引っ越し魔だったらしく、ここは熊本で五番目の家らしい。ここで新婚生活と娘の誕生を過ごしたらしいので最も長く住んでいたとのこと。それでも、一年と八ヶ月だというのだから、あんまり長居できない性格なのだろうか。「それから」それからと次々に移っていくことが活力であったのかな。

熊本城の石垣を見上げ、交通センターで おてもやんと会い、辛子蓮根を購入。また路面電車で戻り、特急の割引券で博多へ。
戻りの路面電車は、床が板張りで風情があって良かった。留学生風の外国人が多く乗っていて、住居区のような駅に一人ずつ降りていった。

着いたらすっかり暗い。宿でお風呂に入ったあと、天神の川沿い 屋台街で食べる。ビールともつ鍋をつついていたら、ビジネスマンのおじさん団体と相席になり、既に酔っていらっしゃるので一緒に飲む。一人の方が 白iPhone だったのに反応し、僕も iPhone 黒の安いのですけどと見せると、今日そこのアップルストアで買ってきたんだと 出たばかりの iPod nano を見せてもらう。動画しか撮れないんだと教えられる。ここは何時まで開いているの?と聞かれて、よそ者なんですと答えたら、おじさんらもそうだと。すぐにじゃあねと去って行かれた。我々はもう一件だけ小さな餃子店で少し食べて、親子でやっている姿にグッと見入ってしまった。テレビにて今日は9.11だとのドラマがやっていた。24時間営業のダイエーで明日の朝食などを求める。辛子蓮根を冷蔵庫に入れておく。
花より団子というシメではなく、花と風景のごった煮という感じだ。

http://www.camk.or.jp/event/exhibition/flower/
http://www.manyou-kumamoto.jp/contents.cfm?type=A&id=79