昨日の朝ーーーー
目が覚めると安堵に包まれ、富士山麓のガストでドラえもんホテルと千円札を二枚拾う。突き返される期限付きの海老煎餅は僕のものではないが、いま拾ったよ うに僕が扱える代物と化していった。次から次へと人に会い、現状調査を重ねる毎に優しくなっていく。一人ではこうはいかない。
昨日の晩ーーーー
閉場間際の砂浜で、時間いっぱいまで海に入っているサーファーらを見ていた。立て続けで車中泊は辛いから、民宿で素泊まりをする。地元の居酒屋で酒は飲ま ず料理だけ。昼に続けてお刺身。遅くまでやっているスーパーで静岡産の食材を買う。クリームを挟んだどら焼きがとても美味しかった。テレビで阿久悠が亡く なったことを知る。
今日の朝、昼ーーーー
早々に仕事を終えて、御前崎から遊泳禁止の砂丘を回る。
地図帳で見つけた「ねむの木こども美術館」へ着いたが、それは以前の場所だった。北上し、掛川市の「ねむの木村」へ。森の中に立つ美術館は美しく、地面か ら生えているよう。建築家 藤森照信のよる通称「どんぐり」。そのなかは温かい白で、絵は四季と愛情の色を持っていた。その広がりのある色を見ていると、四季だと呼びたくなる。気持 ちを露にしながら、整いのある構えだ。
続けて、村内にある「吉行淳之介文学館」へ。横に並べられた赤と黒の椅子を見た。愛用の机と椅子にモビールが、渋くも愛嬌のある男を垣間見させた。
そして今日の夕方と夜ーーーー
愛知に急行し、用事の後、蒲郡で温泉に入る。男と女は互いの人生を懸けて理想を具現するのだなと思う。
サウナにテレビが無いのが良くて、落ち着くことができた。
高速のサービスエリアでカレーを食う。
降りると、台風の風を感じる。見知った町を走る。
翌朝レンタカーを返す為に、ガソリンを入れたり、車内を掃除したりする。
落ちるように深く寝た。
http://www.nemunoki.or.jp/