火曜日, 8月 14, 2007

白鳥おどり

友だちのお家にお泊まりで、はじめて岐阜県の郡上、白鳥おどりへ行った。
郡上八幡と白鳥という二つの地域でやっているらしく、白鳥おどりのほうがテンポが速くて若者向けらしい。友だちは白鳥の出身なので、そこへ向かうことができた。
浴衣と下駄に決め込んだ面々で向かうと、駅前からの一本の道に輪ができている。山車のようなやぐらが出ていて、上には複数の奏者が太鼓と三味線、そして踊 りの唄を歌い上げる浴衣のおじさんと兄ちゃんがいた。誰が入ってもよく、うまい下手で下ろされることもない。「シッチョイ」、「源助さん」「猫の手」「神 代(ドッコイサ)」と、踊りの種類は幾つかあり、やぐらに取り付けられている表示板に次の踊りが示されている。
輪に入って、見よう見まねでテンポに合わせて踊っていると、なんとか合わせられるようになってくる。延々と踊りのハイを味わっているうちに、曲が変わって しまい、またヨタヨタとなってしまう。友だちはすぐに身体が反応して、次の踊りに入っていた。僕らもその後ろについていく。輪をつくっているのは、地元の 見知った顔ばかりらしい。踊りの節に唄われる言葉は祈りの内容であるように聞こえた。歯切れ良く、小気味良い。はじめは、唄い手が即興で作っているのかと 思い、その滑らかさを堪能していた。
訊ねると、歌詞は決まっているそうで、聞いていればいつ終わるかが分かるそうだ。何度も何度も繰り返す踊りに、トランス状態になっても苦しくならないのは、前へ前へと進んで行く歌詞があるからだと思えた。繰り返す主旋律の奥で進行するメロディの構造だ。
この輪はいつまでも続く。
踊ることで、祭りがあった。勝ち負けを決めるものでも、見せ物でもない。
伝承される節には、ギトギトした添加物など入っていない。
朝の三時まで踊る。



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