火曜日, 8月 28, 2007

金沢礼賛

朝湯を浴びて、朝食は加賀野菜のバイキングをもりもり食べた。じゃがいもが甘くて美味しい。加賀れんこんもやわらかくて美味しい。ご飯もおかわり。食べ過 ぎたくらいで、出発する。生憎の雨に見舞われつつ、巡回バスで兼六園へ。雨にけぶる庭園もまた乙なもの。散策をして、園内にある時雨亭でお茶と小さな金鍔 を頂く、手入れが行き届いた庭をゆっくり楽しんだ。
他に 大きな池の上にせり出して建てられた夕顔亭という食事処があったけど、ちょうどお休み。
雨が止んでくれたので、兼六園から近江町市場へ歩く。
市場は活気があって、見ているだけで楽しい。イカの黒漬けなどを求めた。回転してるけど根本的にネタの基礎レベルが違う寿司を堪能し、珈琲豆屋で煎れたてを店先で飲む。

今度はどこまで乗っても百円の小さな電気モーターらしき小型バスに乗って、兼六園の方向へ戻る。雨がまた降り始めていた。停留所から走って、21世紀美術 館に着く。ここも人が多くて賑やかだ。次回企画の日比野克彦の作品がはじまっていて、美術館の周囲を朝顔のツタが覆っていた。
企画展「我が文明」グレイソン・ペリーと「パッション・コンプレックス:オルブライト=ノックス美術館コレクション」を見る。リッチな空間で見る豊かな作品群。
グレイソン・ペリーはイメージを混沌とさせる妙があって、それはそのまま私的な問題と公的な問題の合いまった妙である。最初は、何故に坪に描くのか首をか しげていたが、だんだん坪を見回すのが、面倒ではなく、深く入りこめるようになってきた。ぐるりと見回すという時間は、読むことのようで、言葉をひとつに させていくようである。女装したペリーはクレアという名になって、新しいイメージを見出す。それまでわからなかった人生のイメージを。彼、彼女は人生を嘆 くが、捨ててはいない。

プールに、穴に、緑の門と、光の空、21世紀に僕らは時間いっぱいまで居て、ダッシュで六時半のバス停へ向かう。外は、夕方の金沢市。2007年の。

「人間性のレシピ」という作品に縫い込まれたペリーの詩。

人は死に、人は独りである
王座に神はなく
人はこの世の無秩序におかれる
人生の意味はその人しだい
下に地獄はなく、上に天国もない
この人生を生き、愛とともにあれ

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