コンビニ前はもう川だ。
縁石の場所がわからないので入るのをやめる。
空はストロボを焚いたように何度も光り、映画のベタな演出効果を思い出させた。
留学生の送別会を焼き鳥屋で開いていたら、電線がやられたようで停電した。
真っ暗になった席には空いた中ジョッキが並んでいた。明日、名古屋を発つ英国からのアダム氏が「End of the world.」とケラケラ言った。
僕はそれまで「濡れ場」とか「縛り」とかオヤジくさいことばかり言って、失笑を買っていた。
自転車で帰れるような状況ではないので、横井氏の車で送ってもらう。
岩倉まで西山氏らを届けたあと、煙草を求めて入ろうとしたコンビニの前がもう川だったのだ。
横井氏はカーステの音量ダイヤルをひねった。サムクックが鳴り響く。
「ファンキーなのが好きなんですよ」
じゃぶじゃぶと車は走ったのである。
男はだめと言われたのを
覚えているこの豪雨の中
暗くて撮れないと自責を
置いては続けた
弱味は忘れたい
だめと言われた
とき目を閉じた
http://jp.youtube.com/watch?v=kz63grgFPqc&feature=related