「mixi なんか無くても、僕らの関係は大丈夫なんだ」
そう言ってみるが、
実際に mixi の恩恵を受けて、こうして会えているわけで、きれいごとばかり言っていてはいけなかった。
ただ、そう言った本心は、僕らの関係が mixi に収拾されることを恐れるからなんだ。あのオレンジ色のウインドウには書くことができない言葉を、僕らは山のように持っている。
電子メールが一般に広まりはじめたとき、敬語を尽くした文面にしなければいけないと言われていたのを思い出す。いまや、メールでのやり取りは当たり前になり、携帯電話で友達と送り合うメールはとてもフランクだ。mixi はそんな僕らの感覚にフィットした。関係をネットで補完しようとする感覚が、これからもっと広がるだろう。それを止めようとは思わないけれど、ネットでは補完できないものが浮かび上がる。
ブログには書きたくない言葉もたくさんある。日記を見せ合うとき、その人を好きになるとは限らない。
個展に来てくれたふたりと、いっしょに駅まで歩いて帰る。近鉄と名鉄の前で手を振った。