金曜日, 12月 01, 2006

LOST、あるいは!

まだ三千円くらい残っていたユリカを無くした。鞄や財布をひっくり返しても出てこない。今日の朝の出勤のときに使ったのが最後で、改札を出たときに左のケ ツポケットに入れたまでは覚えているのだが。どこでどうなったのか無くなってしまった。落としたか、あるいはすられたか。

僕自身、先日にあった飲酒の機会からの傷は癒えていなかったようだ。それからまた何かを無くした。あるいはそのぶん、得ようとしたのか。いまいちど強い力 で抱きしめようとした。もがけばもがくほど、やさしい気持ちからは遠のいていった。朝焼けの公園で、缶コーヒーを握りながら悩んでいることを聞くような行 為に落とし込みたかった。切ない想いを肯定でもしなければ、それも自分自身がそこを力にもっていけないようじゃ、世界中のセックスは全て欲望のはけ口に なってしまう。そんな定義の仕方こそ、オヤジくさいと罵られる。川と町について、僕と彼女が見ていたもの。あるいは彼と彼女が車で通り過ぎた風景の流れの なかに、何もきらめくものは無かったとでも言うのか。
彼が彼女の絵を描くことをしないのを、僕はどう考えていて、僕自身はどうなのか。
沈んでいくだけの憶測はこれで終わり。
僕は逃げるように、深夜の高速バスに乗り込んだ。
シートを倒すためのレバーが壊れていて、背もたれがずっと垂直になってしまっていて寝苦しい。
思い出すための夢も見れない。