土曜日, 10月 07, 2006

こんやもまんげつ

電車に乗ったら、ブーケを抱えた女性がいた。
花嫁の友人が空に投げたもの。
絶対に投げないもの。

バイトを終えて、また iPod でイヤホーン爆音にする。月が今夜も丸く、大きく照らしている。
女の目も丸く、また大きい。
そのなかできらめいているものを、見つめていた。

連休でも仕事帰りの人が行き交い、したいことをしようとしていた。
一言も恥ずかしいことは言っていないと、僕は言った。

家を猫の鬱が守っている。
玄関を開けると、飛び出てはコンクリの上で寝転ぶようになった。
僕の耳は「Sweet Bitter Candy」に転がった。


満月が 真ん中で 明るすぎて
ぼくらのあいだ 距離が よく見えない
いつの日か 苦い思いは ロケットに
乗せて 飛ばせるような 男になる

Candy 夜が明ける ゆっくり大人に
なってゆくぼくら なにかを 決めなきゃね
アルプスが 遠くに 見えたような
気がして 電車に乗って 河を渡る

(作詞,鈴木慶一、白井良明/1998)