水曜日, 10月 18, 2006

パンを描く、あなたを描く

朝だと意気込んでいた新規バイトの面接は、お昼からだった。履歴書と作品ファイルをバッグに入れて、市内中心地にあるデザイン会社に向かう。定刻ちょうど に着くと、三名の集団面接ということで、奥の部屋に通される。でも来たのは僕ともう一人だけで、面接官二名に、志望者二名で質疑応答が行われた。
作品ファイルには、紙にペンや色鉛筆で描いたドローイングをまとめて入れた。後半部に、デザインの仕事という項目を作り、DTP 仕事も一通り可能ということも示す。
「ドローイングをもっと見せてもいいのに」という言葉を思い出していたのだ。
面接は三十分ほどで終わった。
やりきった気持ちで、ビルを後にする。
昼過ぎの市内中心地を縦断し、スーツ姿の同年代と多くすれ違う。三越のある交差点で、老人がトラメガを持って何かを演説気味に叫んでいた。それは政治的な 内容であるらしかったが、僕にはしらじらしく聞こえてしまった。国を抱きしめるのは国じゃあない。と思って、ここで叫ぶより、僕は誰かと話しをしようと 思った。しかし老人の姿は、姿そのものが言葉になっており、僕は学生画廊企画で行った市内でのパフォーマンスイベントを思い出した。あのとき、僕も同じよ うにブツブツと路上で詩を読んでいた。

その足で「ROOA GALLERY」へ。同時代表現研究コース1年のメンバーによる企画展「room」を見る。小原さんと話す。ファイルを見せてもらったので、さっきのドローイングファイルを見せる。頑張って話した。
「ちらかすと、まとめたくなって、まとめてみると、ちらかしたくなるもんだよね」と言った。展示はまさしくそれで、賑やかそうで、しっとりしている印象だった。
また来ますと挨拶をして、地下鉄へ戻る。
しっとりとした絵を見て、心のどこかが落ち着いた。

自転車で岩倉市駅前まで走り、絵画教室へ。順次企画「トランプをつくろう」は、今日はお休み。西山氏が遊びに来てくれたので、みんなでモチーフを囲んで デッサンをした。大小様々なパンを新聞紙の上に置いて、それをモチーフとした。子どもは、食べていい? としきりに訊いてくる。賞味期限が切れているから駄目だよと言い、パンはモチーフと化した。続いて、西山氏に十五分だけモデルになってもらい、みんなで顔 を描く。パンよりじっくりと描いているのがよく分かった。絵が良くなってきているのを実感し、嬉しくなる。
子どもらを見送ってから、西山氏と自転車並走して帰宅。夜七時着。ブログ書く。九時よりバイト開始の暫しの時間。猫の鬱と話す。行為や可能性についてを話す。

http://rooa.weblogs.jp/