土曜日, 4月 08, 2006

ロードムービー、テーマは詩

新宿歌舞伎町、朝。まだ夜が続いているような、邪悪な朝なり。
日本人どうしならば、会釈もすれ違うことも可能だと、激しい極地の町ではあるが、異国ではないと肩を撫で下ろす。空気の悪いこの部屋は、常に地下であった。陽の光は降り注がない。人々は生き延びる為だけに何らかのエネルギー源を求めて、歩き回っていた。
疲弊そろそろ口にしながら、吉祥寺をぶらつく。雨がぱらついてきたので、井の頭公園の前にある喫茶店に入った。猫が店内にもうろついている素敵なお店。 ホットレモン飲む。雨が止んでから、公園にて猫を追いかける。フニャッと可愛い。うっちゃんまんは、北名古屋でお元気かしら。福岡氏らに御飯をお願いして いた。ありがたいニャあ。

西荻窪へ移動し、お昼に「夢飯」というお店でオムライスを、がっつり食べて、櫻井さんという方が行っているオイリュトミーのダンスワークショップを見学させて頂いた。シュタイナー学派から展開された、身体の調整法や表現についてである。
静かな光が降り注ぐ会議室にて、真っ直ぐ伸びた身体が動く。
それはそれ以上でも以下でもなく、身体であるが、言葉でつべこべ言うことではなかった。詩は矛盾の葛藤であり、清いことを嫌ったりしてしまうのだと思考を反芻した。

ハンサム食堂というお店で、お酒も御一緒させて頂く。ビジュアルから逃げることはできるが、身体は逃げることができないという言葉や、怖い詩人であれとい う言葉が、丁寧な言葉で、はっきりとグサリとくる。胸を熱くし、頭を垂れた。詩人は言葉を理詰めで構成するのではなく、言葉を感覚と論理が相矛盾する境界 に立たせ、自身から遠く離れた宇宙にやらなければいけないのだった。
僕は、今回の東京にパラサイトしたようにしながらも、いろんな人に会いに行こうとしていたから、途中で別地に向かう。握手をし、店を出た。
見送ってくれた君を、逆にまた見送り返し、ひとり電車を乗り継いだ。 一気に、葛飾など下町の方向へ渡る。北千住乗り換え、梅島駅へ。
ブルーマヨネーズで、東京でよく朗読をしていた地だ。駅すぐ近くの、ライブハウス「yukotopia」に着く。予定時刻を大幅に遅れてしまったが、同じ く目的のライブ自体も遅れていた。2000年のマヨネズムのときに、名古屋に滞在して関わり合った、松田さんがドラムを叩いていたのだ。ha-za-ma というインプロビゼーションのライヴ。六、七年前にここで多く朗読をしたことを思い出し、感慨深くなる。
厳しい意識と、楽しい思い出のこと。これらが僕を推し進めてくれることを疑わない。
抽象性の高い音楽の傍らで、ライヴペインティングが行われていた。僕は、松田さんのお家に今晩ご厄介になることとなり、ライヴ後も、ゆっくり焼酎だなんだ と呑ませて頂いた。ライヴペインティングをしていたアーティストの方ともお話をした。ha-za-ma のボスで、yukotopia のボスであるロクさんから、こんなものが出てるんだよと「東京 Reading Press」というフリーペーパーを見せてもらう。朗読を括りに、都内のイベント情報が載っているというものだった。詩の朗読に限らないので、アナウンス や読み聞かせのようなものまであった。横目で見つつ、いろいろ話した。大小関係なく、詩人には常に企てが必要だと思う。
ロクさんと握手をした。今度は、ポエトリー・リーディングの日を調べて来よう。
コンビニでお酒やつまみを買って、松田さんの部屋で呑んだ。
自然と、マヨネズムの話や、彼女の話などになった。
名古屋で呑んだくれていた頃のように、ガンダムやウルトラマンの話になり、僕はタロウが五番目の兄弟だと強く主張して譲らなかった。だけど、ウルトラマン百科は積み上げられた本の一番下の段ボールに入っていたので、調べることはできなかった。
「DANCING古事記」(立松和平、麿赤児、山下洋輔/貞練結社/1995)という CDと本がセットになった、所謂 CDブックというやつを何じゃこりゃと、聴く。一曲目には、1969年の早稲田大学でのものというアジテーションが録音されていた。

http://www003.upp.so-net.ne.jp/juuji/
http://www.xxxhandsome.com
http://www.tokyoreadingpress.com/
http://www.yukotopia.jp/
http://www.tsurugashima.or.jp/ika8/matsuda.htm