右頬が腫れてきた。絵に描いた虫歯っ子のようだ。時折、痛みが和らぐ。頭痛薬で誤摩化して、アルバイトをする。本音は、プイッと寝込んでしまいたい。歯医 者に行きたくないけど、行かなくちゃ。もうだめだ。耐えられん。何度も何度もこんなことを繰り返している。性懲りも無い。どんどん歯医者の位置が自宅に近 くなってくる。遠いことを通わなくなる理由にしたくないからだ。それに比例しておそらくどんどん歯医者の質は低下していくような恐れを感じている。明日に は飛び込みで向かおう。バイトは夜からだから、午前中に行ければベターだ。革命的な掃除と同じく、身体管理にも革命を起こすんだ。そうやって、うまくコン トロールできるようになれば、糸井重里が言うように、自分のやりたいことの地図を今より四周りも大きくすることが容易にできる気がしている。いや、これは 自分だけの話だ。自分の場合だけの話だ。きっと。
バイトはとにかく苦痛だった。早く終わって帰って横になりたかった。思い思いの服を着て、布団に潜り込みたかった。
ようやく終了してから、比べれば少しの時間だけ、久々の再会と夕食。猫の鬱が徐々に落ち着く。
寝る前にレコードプレイヤーをアンプに接続した。針を買わなきゃと思っていたら、父親が予備に買っておいたであろうオーディオテクニカの針と前部のユニットが丸ごと、革命的掃除より出てきた。
「Solo Monk」(Thelonious Monk/1964,5)という名前のレコードをかける。ピアノ演奏。