日曜日, 4月 16, 2006

この町を良くするために

物がひっくり返った部屋で目覚め、何も作る気が起きず、たまには喫茶店でモーニングでもと外に出ると、町の中がひっくり返っていた。
線路沿いの道に民主党のノボリが、パチンコ屋のように立ち並んでいる。
ハチマキを締めた運動員が行き来し、遠くからは「宜しくお願いします」とのスピーカー音声がこだましてくる。いよいよ北名古屋市の市議会議員と市長の選挙がはじまったのであった。駅周辺は自分の占領地かと言わんばかりに、多くが詰めかけているようだった。
毎度毎度、思うことだけれど、この、けたたましくがなり立てるだけの摺り込み宣伝が蔓延する宣伝方法は何とかならないものか。これは明らかに公害で、暴力 だ。今日から一週間、この爆音に苛まれるのかと思うと、実に長い。特に今回の選挙は合併後初なので、規模が大きいのだ。人数が半端無い。 喫茶店から福岡事務所へ移動するときに、町の外には選挙カーとハチマキと巻いた人しかいないように見えた。遠くから覗けば、のどかな町を襲撃するテロリストのように見えるかもしれない。包囲された貧しい市民は、どこかで骨抜きにされて、名前を書くことをするりと奪われる。
恐ろしかった。ただ、ただ恐ろしい。福岡事務所で日中、木曜日に作っていた書類の続き仕事をしていると、文章の推敲中に玄関の扉一枚隔てた道路でグワーッ とスピーカーでやられると、本当にバカヤローッてなる。美辞麗句をマシンガンのように撃ちまくっては、走り去って行く。こんな奴の名前に怒った日にゃ、絶 対入れねーッとなるのだが、困ったことに全員がこんな運動をしているのだろうから(思案し、わきまえている候補者の方が事実いるのかもしれないが)、結局 は程度や印象、たまたま自分が出くわさなかったかどうかになってしまう。テレビか何かで公開討論会を数発やってもらったほうが良い。朝生みたいにしてくれ い。潜在意識に潜り込もうと、大音量で襲いにくる正義と鼓舞して宣伝する暴力だけはマジ勘弁だ。

いろんなスタンスの話をして、夕刻、味噌蔵関連でお世話になった梅村さんをお誘いして、布袋の+ギャラリーへ行った。
あちらとこちらから、ステレオで「明るく住み良いまちづくりを」と聴こえてきて、虚しく共鳴していた。
韓国人作家の、イ・ヨンベク氏の個展。「天使-戦士」。優雅さと狂気性が理知的にミックスされているように思えた。ドキリともするが、サイバースペースへの疑心は無いのだろうかとも感じた。
天上界が夢のようなところだと、考えていないのかもしれない。僕自身の固定概念が邪魔をしているのか。
そこでアーティストはほくそ笑んでいるのだろうか。