金曜日, 6月 02, 2006

歴史は笑いものにされる為のものではない

今日もお昼のワイドショーで盗作疑惑が報じられていた。どんどん疑惑の作品が増えていく。インターネットを巡れば、大学在籍時の悪評が当時の学生だった方 によって語られていた。ワイドショーの司会をしていたホンジャマカの恵氏は、「この事件、月曜にも動きがありそうです」と最後に締めた。僕はそれを見て、 なんでそんなことが言い切れるんだ?と思った。まるで、月曜にも報道を準備しているみたいじゃないか。動きはあるかもしれないが、月曜だとは断定できない はず。制裁は行われるだろうが、ネタの新鮮味も薄れていくのでは。いや、いやつまりこれはおそらく、簡単な検索でその悪評出てくるくらいだから、月曜には 全国ネットで母校での黒歴史が報じられるのではないか。マスコミは大学関連、名古屋の美術社会の周囲をあらっているはずだ。
恐ろしい。罪は罪だし、許されないことは許されない。だが、多くの心優しき大学での恩師らが面倒なことに巻き込まれたりしてやいないかと心配だ。マスコミ の美味しい餌になってしまう。そのマスコミの恩恵で楽しんでいるのは自分でもそうなのだが、リテラシーは持っているつもりだ。彼をのさばらせてしまった大 学に責任が無いとは言い切れないが、被害に追われるだけで消化され、レッテルを貼られるのは辛い。名誉挽回や評価は簡単に達せられないし、報じられない。

盗作疑惑の報道にまみれて、ある法案が今日の国会にて、後少しのところで通らなかったと言われていた。犯罪を抑止する為の法案って、感じでテレビには出て いたようだったが、これもネットで調べると、おいおいおい。ヤバイんじゃないか。またこれ。この頃の日本政治はとことんキナ臭い方向に。どんどん実際の戦 争が行えるように進んでいる。
前回の「朝生」を思い出す。僕は憲法九条が必要だと思っているのだが、何を言われてもヒステリックに憲法九条を掲げる社民党と共産党には呆れてしまった。
盲目的に護憲を叫ぶだけでは何も進まない現実になっているはずだ。あんな無知で低レベルな態度だから、護憲派は馬鹿にされてしまうと思った。
自衛隊を自衛軍にする案もでそうだ。そもそもいま自衛隊に何が課せられているのか、冷静さが欠けている。「対テロ」という大義の前に、全てがなし崩しに流れていってしまっていいのか。これらを話し合い、勉強する必要がある。
今日の国会で通りかけ、野党と与党の対立が理由で審議に持ち越されたけど、見直しに入ったわけではないその法案の名は「共謀罪」。

犯罪をとり行うと計画や打ち合わせをしているだけで罪として捕まえることができる法案だと解釈している。現行法でも、殺人や強盗などの準備段階で 捕まえることはできるらしいのだが、この「共謀罪」はもっと前の段階や、様々なシチュエーションに応用できるものらしい。オウム事件のときの「破防法」が 連想される。あれは確か、破壊活動を防止するという枠があった。たとえばサリンを作っていたら、ピストルを生産していたらとか。あれより、もっとハードル が低い。あのときに「破防法」をなんとか食い止めた世論の対立があった頃より、もっとあやふやに事は進んで決められようとしている。「共謀罪」は、警察が 犯罪を共謀していると断定すれば、捕まえることができるのだから、警察=体制にとって都合の悪い集団や社会的活動は全て封じ込めることができてしまう。そ れは、太平洋戦争時の言論統制やアカ狩り、恐怖政治のはじまりだ。森達也氏も反対集会に出られていたそうだ。mixi で読んだ。
他の「愛国心教育」や「障害者自立支援法」もヤバイが、こいつはもっとヤバイ。
どんどんどんどん、住みにくい自由の無い社会になっていく。

駐車違反の民営取り締まりや罰則強化の件でも思ったことだが、法律の制限を増強させることで、犯罪が抑止されるのではない。逆に、犯罪と定義される(法に 触れる)人の行為の対象が増えてしまうわけだから、犯罪件数は増えるのではなかろうか。逆に法律を緩めれば、犯罪は少なくなる。勿論これはあくまで書類上 での数値のトリックだ。犯罪と定義されないだけ。人の行為の理由は、法ではない。
我慢している部分はどこかに押し出されてツケが来る。逆に、法によってがんじがらめにされた憎悪がいつか爆発する日を呼んでしまうのでは。そして国の暴走 が止まらなくなってしまう。誰にも知られずに、戦争をはじめてしまうことだって。その為に「共謀罪」を用いて、冤罪を発生しまくれば、面倒な識者やマスコ ミは封じ込められる。

「歴史は繰り返す」なんてニヒルな言葉は言いたくない。
嫌いな言葉だが、ただ、繰り返す可能性を持ってしまっているという教えだと思う。

http://kyobo.syuriken.jp/case.htm
http://www.jlaf.jp/iken/2004/iken_20040115_02.html