土曜日, 6月 10, 2006

ドラゴンボール話で自爆する

bnap06 プラン展の 2nd がこの土日に味噌蔵で開かれる。午前中に向かうと、昨晩会場に泊まり込んで作業をしていたという面子がふらふらしていた。頼まれていた展示見取り図をプリ ントアウトして持参し、小話をする。明日のお昼にトーク会があるので、そこで詳しくはするつもり。携帯電話に実家より大きくなってきた子犬の写メあり。ふ がふがしていて可愛くて良い。併せて「可愛良い」と呼ぶ。元気そうで良かった。猫の鬱の写メを絶え間なく送りたい所存。

バイト先ににて、スーパーファミコンカセット「ドラゴンボールZ超サイヤ人伝説」(バンダイ/1992)を借りる。同じくバイトをされている方で、前から ドラゴンボール話で盛り上がっていたのだ。非常に詳しく、劇場版も網羅されているらしい。僕はアニメなどの原作から外れたシリーズには、いつも苦笑いをし て楽しむ。ファミコンシリーズもまさしくそうだ。バンダイによるドラゴンボールのねじ曲げ方は苦笑いをさせる傑作が揃っている。なんともいえない穏やかな テンポとテイストには、原作へのこだわりと切り捨てが入り交じった編集が見られる。漫画原作に追いつかないように毎週長く引き延ばしてとにかくゆっくり進 むアニメと、カセット一本に入る容量では足りないから、修業のストーリーなどは端折って駆け足で進むファミコンシリーズ。殆ど言葉で進行してったりする。 どちらも漫画原作を別メディアに移植するときにおこる壁で苦しんだ結果だ。程度の落ちる勝手なサブストーリーが付け加えられたりしている。
子供たちはその退屈さに呆れながらも、ドラゴンボールが好きだから頑張って遊んでいるうちに親しみをもっていたのだろうなと思った。いまの奇麗に要領よく移植された3D格闘ものなんかには、逆に物足りなく感じたりするのだ。 バイト後に遊んでみると、このゲームはファミコンのと きにあったカードバトルRPG を、発展改良したシステムでドラゴンボールZのストーリーを追えることがすぐ理解できた。おおっ!さすがはスーパーファミコン!と身を乗り出す。その発展 改良とは、通常のマップ移動にもカードに書かれた数字を使用して双六のように進まなければいけなかったところを無くし、カードは戦闘だけに使うという変更 だ。当時、ファミコン版の双六みたいな仕様に苛立っていたものだった。バンダイの作り出すドラゴンボールには、常に子供騙しの姿勢が漂っていたから。スー パーファミコンに移行したくらいから、少し本格志向というか、おそらくゲーマーの中高生拡大と同時に、対象年齢も上に設定されたのだろう。この発展改良は 支持されたのではないか。

だが小一時間遊んだだけで、僕にはこの変更点を「発展改良」と呼ぶことができないかもしれないと思いはじめた。言わばコンセプトにおいて、移動を普通の RPGのように自由にしてしまったがために、カードを用いるゲームという一貫性が無くなり、戦闘のだけカードを使うというのが面倒になってくる。だった ら、戦闘も普通のコマンド制でいいじゃんと。でもそれはただの普通の RPGで、ドラゴンボールなだけだ。おそらく、そこまでバンダイも変更する気は無かった。当時同じくバンダイから発売していたドラゴンボールのカードダス と相乗効果で売り込む為にも、このカードは、ドラゴンボールのメディアミックス戦略において必要不可欠なシンボルだったと思われる。
なんとも我が儘なもので、わずらわしかった双六システムは、カードシステムへの愛着を子供にもたらしていたのだ。僕などは、このスーファミ版で、カードが 裏返ったり並べ送られたりするアニメーションが表示されない点に、妙なストレスを感じさえしてしまう。戦闘時に悟空らがみせる、みみっちいパンチやキッ ク、吹っ飛ばされたりするアニメーションのお遊戯めいたテンポには満足しているのだが。
この戦闘アニメーションは早送りできないものかと思うが、早送りできるとまた何かを失ってつまらなくなるのかも。
確かこのスーファミ版以降、カードシステムを使用した続編は出ていないはずだ。いま発売されている新作で使われているカードとはまた別仕様である。メディ アミックスの要素としては受け継がれていると言えるが、おそらくこの スーファミ版で、同時期に盛り上がってきた格闘アクションもの「武闘伝シリーズ」にメインストリームが移行していったのだろう。
ドラゴンボールの原作が終了したことにも関係していそうだ。
人気の要素がストーリーよりもキャラクターに移項してきているのかも。原作を知らないようないまの小学生なんかも、いまのゲームで遊んでいたりする。
僕は、Z戦士のなかで一番好きなチャオズで遊べるゲームが少ないので、この「超サイヤ伝説」は嬉しい。
ゲーム内で使える必殺技「サイコアタック」はあきらかにナッパに繰り出して何も効かなかった、あの自爆だ。
「チャオズーッ!」
「天さん・・!」
カッ!


http://comics-news.shueisha.co.jp/common/dragonball/index.html